職場でのあるある。「〇〇駅~バス~会社」という経路で通勤届を提出しているのに、実際は〇〇駅から会社まで歩いているというパターン。バス代をケチっている、というか実際はバスに乗らないのにバス代をもらっているわけです。
これって結構大きい会社ならバレないものです。東京本社で給与計算をもっぱら行っているということであれば、大宮支社とか静岡支社の社員がそうやってバス代を不正にもらっていても発覚することはまずありません。むしろバレないからこそ、そういう方法が常態化してしまい、だれもが不正受給に対する感覚が麻痺してしまっているとしても不思議ではありません。
しかしそれほど大きくない会社だったり、拠点が本社ひとつしかないというような場合だったりすると、通勤届はバスや電車を使っているということになっているのに本当は徒歩とか自転車だというのはわりと簡単にバレるものです。どうやって発覚するのでしょうか?
歩いている・自転車なのに通勤手当を受給する者。どうやって発覚するのか
そりゃいつかはバレるでしょう。毎日、自転車で通勤する姿というのは誰かが必ず目撃しています。で、世間話のなかで「自転車で走っているとあそこの交差点に桜が咲いていて・・・」みたいな話をポロッとしてしまって、「あれおかしいな。JRを使っているのに、どうしてあの道路の話が出てくるのだろう」と人事給与の担当者に不思議がられて、調べられてしまうというパターンです。
この他、ここ数年で何度もあったのが「運賃改定」。たとえば消費税率引上げとか、2023年にはリモートワークの普及による通勤形態の多様化や、鉄道駅バリアフリー料金制度の施行に伴う運賃改定が実施されました。
給与計算の担当者は、こういうことがあるたびに「全員の」通勤手当を再計算する羽目になります。
そうやって一人ひとりの通勤届を見直していると、
「このルートは不自然ではないか。バスだと明らかに迂回ルートになってしまうし、朝8時台にこの道路は道幅が狭いせいでものすごく混雑して時刻表どおりに運行されないことのほうが多い。常識的に考えて自転車のほうが早いはずだ。なのにどうしてバスなのだろう」
「参宮橋から初台なら歩いたほうが近いのに、どうしてわざわざ新宿まで行ってまた戻るような乗り換えルートなのだろう」
といった疑問がムクムクと湧き上がってくるものなのです。で、本人に問いただしてみると、「ごめんなさい」。こういう場合、私の勤務先の場合は2年間に遡って返納させるようにしています。ただ実際には本当に「ごめんなさい」と自分の嘘を認める人というのは少数派で、「こういうルートがいいと勘違いしていました」「最初は会社までどうやって通勤していいかよく分からなかったので、とりあえずこういうルートで申請していてそのまま忘れていました」とか見え透いた嘘をつくことのほうが多いです。
不思議なもので、こういうしょうもない嘘をつく人は大抵平社員だったり、パートタイマーだったりと給与水準が低めなケースが多いです(個人的経験)。このようなどうしようもない他人の話につきあわされてしまう時ほど、自分の人間嫌いを強く実感することはありません。サラリーマンをやってみてつくづく思うのは、この稼業というのは「社長の商品を売って社長の貯金を手伝ってやる」「そのために自分の人生の残り時間を切り売りして他人の都合に振り回されねばならない」ものだということです。ああアホくさ・・・。
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