東京都多摩市にある恵泉女学園大学の閉学が報じられました。
私も昔一度用事があって訪れたことがあります。たしかピューロランドの近くだったな・・・。

恵泉女学園(東京都世田谷区)は22日、東京都多摩市にある恵泉女学園大学と同大学院について、2024年度から学生の募集を停止すると発表した。今春の入学生を含め、全ての在学生が卒業後、閉学するという。

 学園は、18歳人口の減少や共学志向など社会情勢の変化で、入学者の定員割れが続き、「金融資産の確保・維持が難しくなった」と説明した。大学の定員割れ傾向は14年ごろから続いていたという。近年では、18年度の入学生が定員290人に対し255人で、入学定員充足率は88%だった。19~20年度は100%を超えたが、22年度は56%まで落ち込んでいた。

(朝日新聞2023年3月23日記事「恵泉女学園大、閉学へ 共学志向? 2024年度から学生募集を停止」より)

私がこのニュースを読んで真っ先に思い出したのが「ラブライブ!」シリーズでした。
「ラブライブ!」では国立音ノ木坂学院が廃校の危機に陥り、これを回避するためにμ'sが結成され、彼女たちの活躍により入学志願者が増加しています。そして学校は存続することになりました。

「ラブライブ! サンシャイン!!」では沼津の浦の星女学院がやはり近隣の高校と統廃合が噂されるところからのスタートでした。Aqoursは悲願のラブライブ! 優勝を果たすも、入学志願者が思ったほど伸びず、学校が無くなってしまうというところで物語が終わっています。

「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」ではお台場にある人気高校ということで全国からいろいろな生徒が集まるという設定であり、廃校といった話は一切出てこず、一人ひとりがのびのびと自分たちのやりたいことに向き合うという実に平和な設定。

転じて、「ラブライブ! スーパースター!!」ではの表参道・原宿・青山という三つの街のはざまに立地するという恵まれた場所でありながらも、初年度からさっそく生徒募集に苦戦しているとかいう結ヶ丘女子高等学校が舞台。一体どういう経営手腕だ? しかしこの作品もLiella! の活躍で人気が高まるという、学校が生徒に助けられるというお話です。

私は「ラブライブ!」シリーズをいたく愛するだけに、恵泉女学園大学が閉学になるというニュースを聞いたとき、なんだ、スクールアイドルの出番じゃん、μ'sとかが集結すれば閉校なんて吹っ飛ばせるじゃん、とか軽く考えてしまいました。そうはいっても「ラブライブ!」はあくまでもアニメであって、18歳人口が毎年のように減る、女子大学は女子の志願者しか集められない、立地が微妙、学部が人文学系統で時代の流れといまいち噛み合ってない、といった現実を前にしては、たとえスクールアイドルがどれほど頑張ったところで、「素敵なアイドルがいる」ことがこうした難点へのソリューションたりえていない以上、やがて「その時」は不可避だったと見るべきでしょう。

うーん、そう考えるとやっぱりアイドルで学校の知名度を上げるというのは当然ながら現実的ではなく、志願者獲得のためには地道な経営努力を積み重ねていくしかないのでしょう。
ただ、
18歳人口が毎年のように減る ← 自然現象のごとく、一学校法人の努力で変えられないもの。
女子大学 ← これまで散々「女性の活躍が云々」と言ってきた手前、簡単にその看板を下ろせない。
立地が微妙 ← いまさら引っ越せと?
学びの内容が時代とミスマッチ ← 文学とか語学とかを専門とする教員を正規雇用してしまった以上、リストラは事実上不可能。
というわけで学校が変わっていくことは至難の業なのです。

はー、ラブライブ! 見て現実逃避でもしよっと・・・。