聖地巡礼。「ラブライブ!」シリーズのファンとして一度は訪れたい秋葉原、お台場、沼津、そして原宿・青山・表参道。

神田明神の境内を散策し、石階段を登り降りし、万世橋を渡り、アキバドーム(東京ドーム)を眺め・・・、といった「ラブライブ!」の名場面で登場した様々な場所をめぐりつつ、「ここでμ'sたちが」などと思いに浸ることができるのは現場に足を運んでこそ。Googleストリートビューでは味わうことのできない感興です。

「ラブライブ!」シリーズをざっと見渡すと無印が秋葉原、「サンシャイン!!」が沼津、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」がお台場、「スーパースター!!」が原宿・青山・表参道を主な舞台としています。あくまでも独断と偏見ながら、聖地巡礼をするなら「サンシャイン!!」が最も「味わい深さ」で安定していると言う点で軍配を上げたいと思います。


東京の聖地巡礼の欠点

「サンシャイン!!」以外はすべて東京が舞台なので、都心に住んでいる人なら頑張れば1日で3つの作品の聖地を巡ることも不可能ではありません。そこまで詰め込みすぎると「到着即移動」になり、ただ動くだけの1日になるおそれもありますが・・・。

しかし東京という街には、聖地巡礼を行ううえで欠点が潜んでいます。

再開発がやたらと多いということです。

典型的な例が「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のお台場です。作中にはヴィーナスフォートが登場します。ところがヴィーナスフォートは2022年3月に閉館し、2025年開業を目指して多目的アリーナなどの建設が進められています。こうなると、聖地巡礼のためにお台場に到着したはいいが、「あの建物がないぞ」といったことになりかねません。

秋葉原についても同様です。千代田区HPによると、「外神田一丁目南部地区計画」というものが2023年現在進行中であり、「東京都市計画地区計画の決定(千代田区決定) 素案」によると、
「外神田一丁目南部地区街並み再生方針(令和2年 11 月)」を踏まえ、緊急輸送道路に面する部分を始めとした、耐震化対策が必要な建物や低密度利用の土地・建物を中心に、敷地の統合・集約化、幅員の狭い道路の再編を一体的に行う街区再編を推進する(以下略)

(https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/28904/soan.pdfより)
云々。つまり秋葉原地域も今後風景が変わる可能性があります。

なら表参道とか原宿はどうだ? なんととんでもないニュースが飛び込んできました。
東京都が明治神宮外苑の再開発事業を2023年2月17日で認可したのです。これによると老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、場所を入れ替えて建て直すのが大きな柱としており、2036年に完成予定。2036年って・・・。
これにより、このエリアは13年間「工事中」となります。こんなに長く工事するってお前は横浜駅か。
当然ながら、ひとたび工事が始まれば、この光景も13年間見られなくなるのではないでしょうか。



さすがにいちょう並木の辺りが立入禁止になるとは考えにくいですが、周りが工事をしているので静かな環境にはならないでしょうね。

なお、NHKニュース(2023年2月28日「神宮外苑再開発 低木含む伐採予定 新宿区内だけで3000本」)によると、

明治神宮外苑の再開発をめぐり、743本の樹木を伐採するとしていた事業者の説明に対し、低木も含めて伐採などを予定している本数は、新宿区内だけでおよそ3000本にのぼることがわかりました。
再開発事業を認可した都は「低木を含む本数を把握する立場にない」などとしています。

東京・新宿区などにまたがる明治神宮外苑の再開発では、都の認可を得た事業者が、神宮球場や秩父宮ラグビー場などを建て替える計画となっています。
事業者はこれに伴って高さ3メートル以上の樹木、743本を伐採すると説明してきましたが、事業者から伐採や移植の許可申請を受け付けた新宿区によりますと、新しいラグビー場の予定地となる現在の神宮第二球場がある周辺で伐採などの対象となる木は低木も含めて区内だけでおよそ3000本にのぼるということです。
これを受けて周辺住民は東京都に対して認可取消を求めて提訴しています。

このように、曲がりなりにも主要先進国の一角を占める国の首都であるだけに常にどこかしら再開発が進められており、「あのとき行っておくべきだった」ということになるリスクが常につきまといます。


沼津の利点

他方で沼津は言うまでもなく地方都市です。開発(再開発)のペースは東京よりも明らかに緩やかで、一度形成された街並はちょっとやそっとでは変わらないでしょう。(ただし、第◯話に出てきた個人商店が突如閉店というリスクはありますが。一度破産した淡島ホテルも経営再建の途上にあります。)何より、静かな海、降り注ぐ太陽の光、そして内浦湾から見た富士山の景色はこれから100年後も同じであり続けるはずであり、「サンシャイン!」は個々のエリアというよりも「街と自然環境、そしてここで生活する現実の沼津の人びとの温かさ」こそが聖地であると言ってよいのです。

こうした「いつ訪れても迎え入れてくれる」ことのありがたみは、これからもずっとそうだろうと思っていた何かが唐突に失われるという経験をしてみて初めて分かるものです。沼津はこれからもラブライブ! のファンにとって長らく聖地であり続けていただきたいと、心から願ってやみません。