2023年2月4日、5日に武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナで行われているTrySail Arena Live 2023 〜会いに行くyacht! みんなであそboat!〜。私は初日に参加し、先程帰ってきましたが素晴らしい雰囲気にあふれていて、現場に足を運んだからこそ味わえる素晴らしいひと時に身を包まれました。


(以下、公演内容について触れていますのでご注意ください)


TrySail Arena Live 2023 〜会いに行くyacht! みんなであそboat!〜の幸せな雰囲気

私はこれまで様々なコンサートまたはライブと呼ばれるものに参加し、「有名人を近くで目撃できたから嬉しい」という気持ちを持つことはもうほとんどなくなっています。むしろ、自宅のスピーカーから再生される「音楽」とは違った形での「音楽」に接することができることを何よりも楽しみにしています(だから、口パク+CD音源が一番悲しい)。

本日のTrySail Arena Live 2023 〜会いに行くyacht! みんなであそboat!〜では、セトリ前半のGood Luck Darlingや、後半にたたみかけるように並べられたSunsetカンフー、マイハートリバイバル、adrenarline!!などはTrySailの「遊びごころ」とか「元気さ」を存分に表現するものとして、「定番の味」を今日も変わらず堪能できる嬉しさがあります。

しかし私がもっとも感銘を受けたのは、中盤に並べられたミディアムテンポのしっとりとした味わいの曲たちでした。舞台装置はクリスマスのイルミネーションを思わせる色合いになり、赤い衣装をまとった彼女たちが現れます。これだけで前半とは違った音楽が始まることを期待させるに十分ですが、始まったのは「Etoile」。が、これが発売されている音源よりもはるかに上回る完成度。CDとして売り物に出すにはキズがなく、最初から最後まで安定していることが条件。ゆえに録音は「音楽の缶詰」でなければなりません。

今日の「Etoile」は、CDで聴かれるものよりもずっとあたたかみがあり、「人と触れ合う喜び」「一期一会の繰り返せないこの時を楽しもう」といった思いが込められているようでした。

続いての「オルゴール」はもともとはClariSとのコラボ曲だったはず。TrySail単独で歌われる形での「オルゴール」もまた、一つひとつの言葉を慈しむような声に涙ぐみます。「かかわり」「うつろい」「ごまかし」など、とくにマギアレコード関連曲では、ガラス面を曇りひとつなく磨き上げたようなサウンドの作り込みが特徴的ですが、これは「音楽の缶詰」だから可能なこと。実演ではどうなるのか・・・、という懸念は良い意味で裏切られました。CDでは音の人工的なきらめきを追求し、コンサート会場では「こころ」を伝える。その手があったかと思うと同時に、生演奏はこうでなくてはと快哉を叫びたくなるではありませんか(発声禁止でしたが)。そうだ、私はこういう「音楽」に触れたくて、ホールに足を運ぶんだ・・・。これが聴きたくて、ここに来たんだ・・・。

こういう「時間」の積み重ねが私達の音楽遍歴となるのであり、アーティストとの幸せな思い出になるのであり、生きているという実感につながっていくのでしょう。

ちなみに、TrySail公式サイトによると

■当日券発売

WEB受付・当日会場にて当日券を販売いたします。

2月4日(土)公演:2月4日(土)00:00 ~ 14:00まで
2月5日(日)公演:2月5日(日)00:00 ~ 13:00まで

とあります。5日どうしようかな、と思っている方には、「時間というものは繰り返せませんから」とだけお伝えしたいと思います。