松屋のカレーといえば、昔は290円だったのを覚えています。なんでこんなに安いのか? 企業努力だろうきっと。・・・などと気楽に受け止めていました。まあ安いに越したことはありませんね。普通、モノには適正価格というものがあり、1000円のものを2000円で売ることはできませんし、300円で売ることも不可能です(できても持続不可能)。

それがあるときから330円になり、350円になり、370円になり、また330円になりと価格が行ったり来たりするようになりました。なんだか不安定だな。中身がほとんど変わらないのにそんなにコロコロ変わるものなのか? そんな私の疑問を後目に、最近は480円が定着しました。

正直、具がないカレーが480円というのは高くないか? 値段とクオリティがマッチしてないぞ。量販店でレトルトカレーを買えば78円だから、家でそっちを食べるほうがずっとお得だぞ。私はずっとそう考えていたので松屋でカレーを食べることは年に数回もありませんでした。

というわけで2023年1月、久しぶりに食べてみた松屋のカレー。しかし券売機をみてびっくり。680円! なんだこれは!? おかしいなー、カレーってこんなに高かったかな・・・?
そう疑問に思ったのであればその時点で食べなければ済む話なのですが私は食事に関してなあんにも考えていないのでとりあえずこれを注文。

「480円から200円も値上がりしているのだから、そりゃきっとそれなりにクオリティもアップしているに違いない」

そんなことを考えていましたが・・・、甘かったですね、カレーじゃなくて私の考えが。
出てきたカレーは480円のカレーと何一つ変わらないただのカレー。いやただじゃなくて680円。200円分の値上がりは一体何に使われたのか・・・。

家に帰って調べてみたところ、あれはこれまでのカレーではない(と松屋が主張している)のでした。

松屋は、2023年1月4日15時より「松屋ビーフカレー」を発売する。価格は680円。これまでレギュラーメニューとして展開していた「ごろごろ煮込みチキンカレー」や「オリジナルカレー」は、在庫がなくなり次第、順次販売終了する。

2019年に発売し、現在は終売となっている「創業ビーフカレー」をリニューアルさせたメニューで、より牛肉の旨味を出すために牛バラ肉を丸ごと煮込んでいるという。「スパイシーでありながらほろほろになるまで煮込まれたたっぷりの牛肉がポイント」としている。
 
(https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1466713.htmlより)
一応こういう説明がなされているものの、それが200円分のクオリティか? というとそういう印象はありませんでした。名前を変えて、中身を多少いじって、新しい商品のように見せて価格も変えてしまう。「値上げ」という言葉を使うと消費者が反発するだろうから、絶対に値上げという言葉は使わない。違法な手段で入手したお金を、架空口座や他人名義口座などを利用して転々と移転することで出所をわからなくして、正当な手段で得たお金と見せかけることをマネーロンダリングと言いますが、松屋のカレーも名前を変えたり、内容をちょっといじって別の商品にして値上げしたことをわからなくしてしまう(結局は何の変哲もない普通のカレーなのだが)わけですから、「値上げロンダリング」ではないでしょうか。

何でもかんでも値上げ・値上げの1年となりそうな2023年。大切なお金ですから金額とクオリティは均衡しているかどうか、自分なりの価値観にもとづいて賢く使っていきたいものです。