このブログで何度か書いた通り、人は無料のものやサービスにはありがたみを感じず、ぞんざいに扱ってしまう傾向があります。
昔ミシュランガイドは無料配布されていました。タイヤメーカーのミシュランが作ったこのガイドブックを見ていろんな所に旅をしてもらえば自動車ひいては自社タイヤの普及につながるというのが狙いでした。

しかしある時期からこのガイドブックは有料になります。

理由は、自社従業員がミシュランガイドを机の高さを調節するために床に挟んでいる光景を目の当たりにして、ミシュラン自身が「人は無料だとありがたみを感じない」と思い知ったからです。
さらには世の中不思議なもので、むしろ無料だと文句が出やすくなる傾向があります。「「読者はタダのものほど文句を言う」Webライターたちの悩みとは--Web Writers Meeting 」によると、
梅田:確かに。でも昔は雑誌でやられてて、Webに来て結構大変だっていうのはすごくわかります。読者とか、お客さんって、タダほど文句言うんですよね。

(会場笑)

梅田:例えば5万円する本を買ったとしたら、その内容は面白くなくても、文句を言うと5万円を出した自分を否定することになるじゃないですか。だからあんま悪く言わないんですけど、無料で読めるネットの記事とか、テレビのお茶の間の人達が一番うるさいんですよ。安ければ安いほど文句を言われやすくなってしまうというか。安いやきそばにゴキブリが入っていると、すごく文句を言われてしまうみたいな。

(https://logmi.jp/business/articles/42900より)
しかも一度提供してしまった水準というのは、たとえ無料であってもそれを下げると「前より悪くなった」などと言われてしまうものです。


無料配布の弁当に文句を垂れる同僚

職場でとある行事があり、私は弁当を手配しました。正直どうでもいい仕事なのですがそのどうでもいい仕事くらいしか私には回ってきません(無能なので)。そもそも私には食事に対して関心がないので、食べられればそれでOK。あまりに栄養が偏っているものは避けますが必要最低限の味わいや栄養が整っていれば問題ありません。

私が今回手配したのは、TV局のロケ弁で有名なやつ。翌日にはデパ地下とかに展開していて、これまた有名なやつを発注しました。普通に買えば1,200円くらいはします。で、これを出勤してきた人に無料で配布しました。

・・・いるのです、これをしっかり食べておきながら「この店はあれがよくない、これが良くない」と文句を垂れるやつが・・・。
まず無料で提供されているという時点でありがたいことですが、そこは一切省みられることはありません。ただ「魚がどうした」「肉がどうした」と文句を垂れるのでした。ならば次回以降その弁当を食べるのではなく自分で買ってくればよいものを、そういうことは一切なく、この手の人物は毎年のごとく「あれがどうした」などとのたまうのでした。

彼らを見ていて気づいたのは、こういうことを言うのは50代~60代に集中しており、これに限らず権利意識が妙に強い傾向があるということです。私はこういう年のとり方をしてはならない。こんな人間になってはならない。
・・・そういうことを考えていくと、ますます私は人間が嫌いになっていくのでした・・・。