キツネやリスといえば日本ではかわいい動物と一般的にはみなされています。
サイゼリヤへ行ってごらんなさい。メニューの表紙にはほら、リスの家族が描かれているではありませんか。彼らがフィレンツェやミラノなどイタリア各地を旅する様子がほのぼのするタッチで表現されています。間違ってもクモとかヘビではなく、あくまでもリスが使われているのは、好感度UPのためにはむしろ当然でしょう。

今度は北海道に行ってごらんなさい。シマエナガの他にもキタキツネのキーホルダーなど、動物をモチーフにしたお土産がたくさん売られています。逆にそれしかないんかいと、途中でツッコミたくなります。

・・・と、こういう動物を可愛がる感覚というのはやはり国によって異なっているらしく、谷本真由美さんの著作『世界のニュースを日本人は何も知らない3』によると、キツネもリスもイギリスでは害獣扱いされているとか。

理由は家畜を食べてしまうからだとか。ばかりかコンポストを荒らしたり、赤ちゃんに噛みついて怪我をさせることもあるとか(日本では聞いたことがありませんね)。宅地開発が進んでキツネも食糧難に面しているのがそもそもの理由だとか。しかもキツネにはエキノコックスという寄生虫を持っているので注意しなければなりません。

厚生労働省のHPによると、
日本では、北海道のキタキツネが主な感染源で、糞虫にエキノコックスの虫卵を排出され、人はその虫卵が手指、食物、水などを介して口から入ることで感染します。
また、北海道で放し飼いをして感染した犬もキタキツネ同様に感染源になります。
北海道以外でも、愛知県で捕獲された野犬において、犬のエキノコックス症が確認されました。

(1)臨床症状:体内に発生した嚢胞は緩慢に増大し、周囲の臓器を圧迫する。多包虫病巣の拡大は極めてゆっくりで、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱や腹水貯留などの初期症状が現れるまで、成人では通常10年以上を要する。放置すると約半年で腹水が貯留し、やがて死に至る。
発症前や早期の無症状期でも、スクリーニング検査の超音波、CT、MRIの所見から検知される場合がある。
 
(2)診断:肝臓の摘出組織や生検組織から包虫あるいは包虫の一部の検出、血清から抗体の検出

(3)治療:外科的切除が唯一の根治的治療法
タヒぬんかい!!  こういう理由で、イギリスでは子供のころから野生の動物に安易に触るなときつく言われるとか。

さらにはリスも害獣扱い。イギリス人、サイゼリヤのメニューを見たらどう思うのでしょう。
私はロンドンに旅した時、バッキンガム宮殿のとなりにあるハイド・パークを訪れました。そこで何匹ものリスを見かけて「可愛いなぁ」と思っていたのですがロンドン市民にしてみれば「あのクソ野郎」と思う生き物だったのでしょう。
理由は庭の作物を荒らし、球根を掘り出して花壇を散らかすから。さらにはリスも病原菌を持っていました。
宮城県のHPによると、リスはペスト菌を保有していることもあるとか。
病名と病原体 ペスト(細菌)
原因となる動物とヒトへの感染経路  げっ歯類(ネズミ、リス、プレーリードッグほか)

感染動物の体液に病原体がおり、その血液を吸ったノミがヒトを刺すことで感染が成立。
急激な発熱とリンパ節の腫れ、肺炎、敗血症など。適切な治療を行なわないと死亡する。
しかしリスそのものは無症状。人間にペストをうつして自分は知らん顔です(北米でそういう事例があったらしい)。

こういうことは『世界のニュースを日本人は何も知らない3』を読んで初めて知ったこと。次にロンドンに行くときはうかつにリスなどの小動物に触らないようにします。危ない・・・。