マッチングアプリを使って、マッチングした相手とメッセージのやり取りを重ね、「なんだか良さそうだな」と思って会うことになった。

でも安心してはいけません。「会う約束をした」のと「実際に会った」には天と地ほどの開きがあります。「会う約束」がそもそも空手形だったりすることもあります。社会人として論外なことながら、会う約束を交わしておきながらその後、「体調不良で」「仕事で」「コロナが」など、様々な理由を持ち出してドタキャンするという事例は山のようにあります。

私自身もこれを食らったことがあります。「こんな目にあったのはきっと私だけじゃないだろう」、そう考えてネットで調べてみると、とくに男性被害者が圧倒的に目立ちます。

しかしよく考えてみてください。男性の場合、女性と会う前に食べログでレストランの評判をチェックしたり、デートのプランを考えてみたり、そもそもその日を空けるために前後の予定を調整したりと、しなければならないことが1つや2つではないのです。で、1,2日前、最悪当日になってこんな連絡が来たら腹が立ちませんか?

「突然体調不良で、土曜は厳しくなってしまいました。申し訳ないのですがリスケさせていただけませんか」

「日曜だけど、いきなり仕事が入っちゃった! ごめんね」

「翌日から帰省するので、コロナのこともあるので慎重に対応させてください」

色々理由を並べ立てますが、どれも嘘と見て差し支えないでしょう。あなたと会いたくないので、もっともらしいことを言ってフェードアウトする作戦なのがミエミエ。嘘つきを追いかけても時間を無駄にするだけなので、さっさと別の女性を見つけることにシフトしたほうが得策です。


ドタキャンの理由が嘘であると断言できる理由

そもそも論として、お互いの信頼関係を構築するには、薄っぺらい言葉ではなく、一方の行動があって、相手はこれに均衡する行動を行う、「行動対行動」の積み重ねが必要になってくるのは何も日米関係とか日中関係だけではなく、マッチングアプリも同様です。

もし、本当に理由があって、やむを得ず会えない状況に陥ってしまった、でもあなたに会いたいという場合、その後のフォローとして「今週末はこれこれの状況になってしまい申し訳ないです。代わりに来週の水曜と木曜夜、土曜が空いていますがご都合はいかがでしょう」といった言葉があるはずです。相手がまともな社会人であるなら、誰かのために休日の時間を確保するということがいかに手間のかかることであるか十分想像がつくでしょう。それを、1本のメッセージでチャラにしようとするのは余りにも相手を軽んじている行為であると言わざるをえません。その後のフォローがない場合(マッチングアプリではほとんどの場合、まともなフォローがありません)、体調不良云々などは嘘だと断定できます。

一応私なりに典型的ドタキャン例を掘り下げます。

「突然体調不良で、土曜は厳しくなってしまいました。申し訳ないのですがリスケさせていただけませんか」
→ しばらくして「その後体調はいかがですか」と問い合わせても何の返事も返ってきません。都合が悪いことはダンマリ。中国政府か。

「日曜だけど、いきなり仕事が入っちゃった! ごめんね」
→ あなたに会うつもりはない、を言い換えただけ。1,2日してマッチングアプリを開くと「この相手は退会しました」。本当は退会などしていません。あなたがブロックされただけです。

「翌日から帰省するので、コロナのこともあるので慎重に対応させてください」
→ 翌日に帰省するのは前々からわかっていたこと。同僚と毎日会っており、家族にも会うわけですから、都合のいいときだけコロナを持ち出していますね。あなたと会ったら感染するとでも言いたげですから二重に失礼な話です。

ひところ、「絆」とか「寄り添う」なんて言う言葉が流行しましたが、ネット上の人間関係なんてこんなもの。別の言い方をすると、あなたもマッチングアプリでいまいちその気になれない相手が現れたら、同じことをしてもOKです。これでプラスマイナスゼロ。職場や友人からの異性紹介であれば多少は他者の目がプレッシャーになりますが、マッチングアプリにはそのようなものは最初からありません。簡単に関係を切れるのがネットの利点。これを使いこなさない手はないでしょう。


追記:世の中には「恋愛における自分の行動の癖や考え方の癖を分析・理解することのできる無料テスト」とかいうものもありました。敵を知り己を知れば百戦殆うからず(戦争か)。自分の傾向と対策をしっかりと把握してから人と会うというのも一つの手でしょう。