昔はクリスマスケーキの売れ残りをよくコンビニなどで目撃していました。
ある時の私は、12月25日夕方に半額になったホールケーキを買って帰り、翌日の朝食にしたこともあります。その後帰省する予定だったので食べきる必要があり、とにかく1度ですべて食べました。これが朝食にふさわしいかというと絶対にそんなことはありませんが、当時の私はとにかく「半額の」クリスマスケーキをゲットすることに強いこだわりを持っていたようです。

セブン-イレブンでアルバイトした経験がある人に言わせると、「売り切れるとよくないので、逆にわざと余るように発注する」のだそうです。でもこの話を聞いたのは20年近く昔のことだったので今は違うのでしょう。最近は余ったケーキというのをほとんど見かけなくなりましたから。例えばファミマはクリスマスケーキを完全予約制とする方針を打ち出しています。

さて2022年のクリスマス当日の夕方、私は例年のごとく近所のスーパーに出かけました。他にも買うべきものはあったのですが、やはり目当ては「半額の」クリスマスケーキ。このブログのタイトルから想像がつくように、一緒に食べるような人はおらず、とにかく一人で味わうことが主な目的。しかもケーキ1つに2000円を出すつもりは毛頭なく、「1000円くらいなら出せるかな」という個人的な価値観から「半額」にこだわっているのでした。

これは、「カレー1皿にいくらまで出せるか」「Tシャツ1枚にいくら払えるか」といった質問と似ているでしょう。私ならカレーは800円。「これは素材にこだわり抜いていまして・・・」なんて言われても結局はカレーなので800円以上の支出を認めません。論外です。「このシャツはただのシャツじゃなくて、縫製が素晴らしくて・・・」なんて言われても5000円のシャツなど買うつもりになりません。どんなにいい品質だろうとなんだろうと3000円が限度。同様にケーキは1000円!

・・・のようなことを頭の中でぐるぐると考えながらケーキコーナーに向かうも、時間が早すぎたのか半額なっておらず、かろうじてクレームブリュレロールが2割引になっていただけでした。
ケーキが半額になっていないだけで「ぐぬぬ」ですが、そのまま成果を何一つあげることのできないまま帰宅するのも嫌なので、とりあえずクレームブリュレロールを買って帰ったのでした。

それにしてもです。学生時代の自分は、お金がなかったので半額にこだわるというのはまだ理解できる話でしょう。2022年の私は、住宅ローンも教育ローンも自動車ローンもまったく抱えていないため、さらには15年続けた資産運用などのお陰で何一つ経済的に困っていません。にも関わらず行動パターンが変わっていないのは一体どうしたことでしょうか。

たぶんこのまま年を重ねてもきっと同じようなことで学生時代と似たようなリアクションをしたり、幸せを感じたりストレスを抱え込んだりするのでしょう。とすればお金というのは人間の幸福にどれほど貢献するのでしょうか。お金が山のようにあったとしても手に入るのは値札が付いているものだけであって、死んだ家族にまた会えたり、フルマラソンを走り切るだけの根性が獲得できるわけではありません。

・・・なんてことを家に帰ってクレームブリュレロールを見つめながら考えました。やはりワイは根暗でした。