紀尾井ホールといい、サントリーホールといい、ホール内にはたいていカフェが併設されています。
2020年初頭からこの記事を書いている2022年12月現在、新型コロナウイルス感染症予防のため営業が制限されていたりそもそも営業していなかったりと営業状況は施設により様々です。
2022年12月上旬、私は紀尾井ホールに足を運びましたところ、久しぶりにカフェの営業が再会していました。四ツ谷駅となりのBECK’S COFFEE SHOPが改装工事で閉店していたためショックを受けたものの、捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこのこと。立ち飲みになってしまうとはいえ、そして値段がBECK’S COFFEE SHOPの2倍だとはいってもホールの中でコンサートプログラムなどを読みながら飲むコーヒーの味わいは格別です。
え、お前の錯覚だ? セブン-イレブンのコーヒーのほうが実はうまい? ごもっとも。でも喫茶店のコーヒーの値段の半分は場所代・雰囲気代みたいなものですからまあいいでしょう。休憩時間中にコーヒーを飲みながら、「さっきのグリモーの『テンペスト』、すごかったよね」とか語り合えるのもまた一興かと。とはいえ世の中には友だちがまったくいない私のような人もいますから、そういう人は一人で壁の方を向いてコーヒーを飲むことになりますが。
さて同じ12月にバレエ『眠りの森の美女』を観ようと所沢の某ホールへ足を運びました。
そこで私が目にしたものは・・・。
コンサートホールのコーヒーがアレだった
所沢のホールといえば実質、一つしかないのでおわかりでしょう。あそこです。あそこの中ホール。ここに足を踏み入れてから気づきました。カフェが営業再開しているではありませんか。
だったら、駅前のファミマでコーヒーを飲む必要なんてなかった・・・、そんなことを考えながら私は自分の席に着きました。
『眠りの森の美女』の第1幕が終わって休憩に入ると、私はカフェに向かいました。さっきコーヒーを飲んだはずなのに、カフェが営業しているのならいっちょもう一回コーヒーを飲むのも悪くないな、ここで飲むの久しぶりだしな。
そう思って「コーヒーください」とカウンターに向かって声をかけると、「こちらですがよろしいですか」と、見せられたのがこれでした。

えええええ!! 雰囲気ゼロやんけ!! これで200円!? そんな馬鹿な! いや販売員のお前、お前がいなくなって代わりに自動販売機を置いたら130円で売れるんだよこれ。お前の価値は70円だ。
一瞬そう口から出そうになりましたが、「ください」と言った手前引き下がる気にもなれず、私は黙って200円を渡してこれを買いました。お前そんなにコーヒーが好きか? ていうかせめてブラックと微糖の2種類くらい用意しとけよ。あとサントリーホールでこんなことやったらさすがにサントリー製品でもクレームが殺到するだろう。
そんなことを考えていると休憩が終わり、私は引き続き第2幕を鑑賞しました。
なぜこんなものを堂々とコンサートホールで販売できたのでしょうか。感染症予防? いえ、普通の豆から挽くコーヒーを缶コーヒーに変えたらウイルスがいなくなるなんて、非科学的ではありませんか。人が口をつけたコップを洗うときに感染する? じゃあサイゼリヤとかガストなんてとっくに修羅場になってるはずですが、そんなことは聞いたことがありません。「感染症対策やってます」ってうポーズをしたいだけ? うーん、なんだかそんな気がします。だとしたら科学とか確立とか統計じゃなくて、社会の雰囲気とか「お気持ち」で物事が進んでるわけですから、ある意味とても日本的な光景と言えるでしょう。
でも感染症予防を目的としているなら、缶コーヒーなんか出さなくても「普通のホットコーヒーを使い捨ての紙コップで提供することにしました」とか色々手段は会ったはずですから、かっこ悪くて仕方ありません。・・・ってゆーかコンサートホールで缶コーヒー出すなんてセンスがゼロですね!
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