大学入学共通テスト。あのめんどくさい試験。受験する方も大変ながら、準備する方も厄介な試験です。
英語リスニングで使われる、あのクソダサいデザインのリスニング機器が試験の性格を端的に物語っています。いや、日本という国家のかっこ悪さを煮詰めたような、と言ったほうがより正しいでしょうか。

今の受験生にはわからないかもしれませんが、ほんの30年前までは日本は世界各国から恐れられる経済大国でした(本当である)。ところが1990年頃を境に経済政策がすべて裏目に出てしまい、成長力を失って停滞している間に世界各国は日本を追い抜いて行ったのです。相対的に日本は「かっこ悪い」国に成り下がりつつあるのでしょうか。大学入学共通テストのリスニング機器を見るたびに、「クレームが出ないように作っています」という後ろ向きな姿勢が感じられ、ここ30年の日本の歩みをどうしても連想してしまうのでした。

それはともかく、リスニング機器では当然ながらイヤホンを使います。あのダイソーにも売っていないような安っぽいやつですね。

これ以外の私物のイヤホンを、英語リスニングであれ、それ以外の時間帯であれ、使ってしまうと不正認定されるので注意しなければいけません。


大学入学共通テストでイヤホンを使うと不正認定!

令和5年度大学入学共通テストの「受験上の注意」にはこう書かれていました。
試験時間中に,次のものを使用してはいけません。
・ 定規(定規の機能を備えた鉛筆等を含む。),コンパス,電卓,そろばん,グラフ用紙等の補助具
・ 携帯電話,スマートフォン,ウェアラブル端末,タブレット端末,電子辞書,IC レコーダー,イヤホン,音楽プレーヤー等の電子機器類(リスニングの試験時間に配付する IC プレーヤー,イヤホン及び音声メモリーは除く。)
これらの補助具や電子機器類をかばん等にしまわず,身に付けていたり手に持っていると不正行為となることがあります。

なお,イヤホンについては耳に装着していれば使用しているものとして不正行為となります。(出願後の不慮の事故等により,試験時間中,補聴器等を使用したい場合は,受験案内 39 ページ「5 出願後の不慮の事故等による受験上の配慮」を参照してください。)

「イヤホンについては耳に装着していれば使用しているものとして不正行為となります」。
ずいぶんきつい口調ですね。しかも色んなページに何回も同じことを書いています。「大事なことだから2度言いました」ってやつでしょう。

過去に発覚したカンニングの事例として、スマホをこっそり袖に隠してZoomだかLINEだか何かを起動させて問題を読み取り、外部の協力者と通信していたということがありました。察するにこういう不正を防止するために導入されたものと見るべきでしょう。
現に、2022年6月8日日本経済新聞記事「共通テスト、試験前にスマホ電源一斉オフ 不正対策で」によると、
2023年1月に実施される大学入学共通テストで、スマートフォンの使用禁止を厳格化する不正対策が盛り込まれることが8日、分かった。試験前に机の上にスマホを出させ、一斉に電源を切る対応をとる。試験会場の巡視も強化する。

1月の共通テストで問題が流出した事件を受けた措置で、運営する大学入試センターが近く公表する。

問題を流出させた女子受験生は、服の袖に隠したスマホにイヤホンをつなげ、協力者から解答を聞き取っていた可能性があることが新たに判明。再発防止策として、受験案内にイヤホンの使用禁止も新たに明記する。
とのこと。

みんな一斉に電源OFFにした、ということでスマホという通信手段を断ち切り、さらにイヤホンを使えなくすることで外部音声も遮断し、巡視強化で受験生を見張る。さらに言えばおそらく、「ワンパターンな歩き方をすると受験生に察せられるから、毎回歩くルートを変えろ」ぐらいのことは各大学に通知しているはずです。

でも意地悪な私は、「2台スマホを持ち込んで、1台は電源OFFのタイミングでほんとに電源を切る。さらにもう1つを服の中に隠し持っておく」という手段を思いついてしまいました。
相手を本当に罠に嵌めたいときは、「慎重に探せば見つかる所」に仕掛けておき、わざと発見させます。そうすれば「ふっ、あいつの悪だくみを見破ったぜ」と得意になり、さらにもう1つ罠が潜んでいるなんて想像もしないでしょう。よしこれで試験監督を完全に出し抜いたぜ。

ま、私はとっくに大学受験なんていう年齢は過ぎ去ってしまいましので、実行することはありませんが・・・。

追記:罠うんぬんのくだりですが、『銀河英雄伝説』でヤン・ウェンリーがイゼルローン要塞を放棄するとき、「罠に気がつかないようにするための罠」を仕掛けていました。元ネタはこれです。