サントリーホールでも東京文化会館でもオーチャードホールでもどこでもいいのですが、冬場のコンサートホールというのは空調が効いているので快適な反面、湿度が低くなりがちという欠点を抱えています。

べつにコンサートホールが悪いわけではなく、これはもうエアコンの宿命です。ホテルだって乾燥していますよね。それと同じことです。

「ム、乾燥していてこれは喉に悪そうだ。よしのど飴食べたれペロ」
なんていう仕草をコンサートの最中にやってしまいがちですが、やめてくれ・・・。これってうるさいんですよ。しかも、ものすごく。


演奏会でのど飴はうるさい

これは私がコンサートホールに通い始めた20年前からそうでしたし、今もそうです。ということはさらに20年前も状況は変わっていないと想像されますし、もう20年時間が経過したとしても何一つ変わらないでしょう。冬になれば寒くなる、エアコンが稼働する、風邪にかかる人がでる・・・、昔からそうでした。

しかしのど飴の包み紙を破る音というのはうるさいのです。
静かに破れば問題あるまい、そう思っているかもしれませんが、数メートル向こうまでその音は届いているのです。

しかも静かに破るということは動作をゆっくりと行うわけですから、1秒で包み紙が破れるわけではなく、10秒くらいビリビリという音が継続します。シューベルトの『未完成』とかバーバーの『弦楽のためのアダージョ』とかでこれをやられるとTV画面にまとわりついたハエのようにうっとうしいこと間違いなし!

ではどれくらい、のど飴の包み紙を破る音というのはうるさいのでしょうか。

つい先日私は紀尾井ホールでコンサートを聴きましたが、やはりのど飴の包み紙を破る人がいました。言うまでもなく迷惑でした。

状況を座席表をもとに説明しましょう。
kioihall

赤い丸が私のいた席。緑の丸がのど飴を食べていた人が座っていた席です。

通路を挟んで4席向こう、しかも後方に座っていた私にまで包み紙を破る音は明確に伝わってきました。
ということは、私の推測ですが黄色い丸で囲った辺りには包み紙を破る音が届いていたはずです。
仮にこのエリアが満席だったと仮定すると、およそ40人に迷惑をかけていたことになります(実際には、席の埋まり具合や、お客さんがみんな厚着か薄着かによって音の届き方は異なりますので、あくまでも計算上の話です)。

私の実感としては、喉が痛くなったからといってのど飴を舐めても直ちに効果を実感できません。したがって、演奏会の最中にのど飴を食べても期待したようなことは起こりません。むしろ喉に違和感を感じたのであれば休憩時間中に水を飲むとか、のど飴を舐めておくなどの事前の対策のほうが意味があるでしょうし、周りに迷惑をかけることもありません。

昔はこの他にタバコ臭い人と出くわすことがありましたが、社会全体で喫煙者が減少傾向にあるため、もう何年も遭遇していません。

思い出せば、まだこの手のネタがありました。スウォッチの腕時計は秒針がうるさく、コンサートホールで着用するには不向きでした。が、そのことを自覚していないのか、隣に座った人の腕時計が毎秒毎秒カチカチと音を立てている・・・、などということもありました(滅多に遭遇しませんが)。

これらと比べるとわりと出くわしてしまいがちなのがのど飴ビリビリ。これをするのはおばさんばかりというイメージがあります。お前、ほんとは音楽が好きじゃないのでは? 私はいつもそう疑問に思っていました。

でもこの記事の冒頭に書いたとおり・・・、たぶんこれからもこのビリビリ音は永遠に遭遇し続けるのでしょうね・・・。