「イートインスペースで食事をされる際はレジで事前に申告をお願いします。消費税率が違います(8%→10%)。」

近所のローソンでこんな貼り紙を見つけました。最近までこんなものあったかな・・・? きっとなかったはず・・・。ということはよほどレジで何も言わないで消費税率8%で会計して、そのままイートインで食事をする人が目についたのでしょうね。

でもこれ、伝え方が微妙です。なぜって、お金を払ってイートインスペースに着席したあとで貼り紙に気づくわけですから。

そもそも同じサンドイッチでも、食べる場所が違うと税率も異なるという運用自体が分かりづらいですね。

(2019年)10月1日の消費増税に伴い、軽減税率制度が導入されました。この中で、コンビニのイートインコーナーがテレビやインターネット上でクローズアップされています。本来なら外食と同じ10%の税率が適用されなければならないところ、自己申告せずに、8%の税率で飲食する人が相次いでいるためです。「ザル運用」という指摘もあり、「イートイン脱税」という言葉まで生まれました。

(中略)

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップの大手4社は、原則として客の自己申告があった時のみ10%の税率を適用します。各社は、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が作成したポスターをレジ横や、イートインコーナーに掲示して周知しています。しかし、軽減税率導入の前から「申告しないで店内で飲食をする人が出て、『ザル運用』になってしまうのでは」との指摘がありました。

(https://www.zeiri4.com/c_1076/n_846/より)

このニュースではレジ横とかイートインコーナーに掲示をして周知とありますが、そもそもわざわざ掲示を読む人ってどれくらいいるのでしょうか。コンビニのお客は私も含めて「ビールとおつまみと歯磨き粉」のように自分の欲しい物しか眼中になく、行列が出来たら「早う進めやこのクソ高校生」くらいにしか思っていないでしょう。

他にも謎ルールはあります。映画館でポップコーンなどを購入したとして、劇場内で食べるなら税率8%なのに、ロビーで食べると10%になってしまうというものです。厳密にこれを適用している映画館は見たことがありませんが、厳格に法律を守るとこういうアホなことになります。

話を戻しますと、そもそも会計のときに「イートインか、持ち帰るか」を宣言しなければならないということ自体煩瑣であり、なおかつイートインスペースに着席したあとで始めて税率の違いに気づくということが混乱に拍車をかけます。せめて事前に分かるといいのですが。


やってみた後で気づく

情報を伝えるタイミングの問題で、「そんなの事前に言えよ」ということは世の中にけっこうあるはず。
とある作家が喫茶店のトイレに入ったとき、ガツンと頭をぶつけました。「天井が低いので注意してください」と、ぶつかった後で初めて分かるようなところに貼り紙がしてあったとか。「ぶつけた後に分かるようなところに貼るな」と本でキレていました。

その作家氏、うんこをしようと思っていたのですがブーッという大きなおならの音が薄い壁を通して喫茶店のスタッフに聞かれたらしく、大きな笑い声。恥ずかしくなってうんこしないでお店を出たそうです。

これはあくまでも笑い話で済みますが、大事な仕事をする前に相手に伝えなければならないことを伝え忘れてしまった! となると「この後出しじゃんけん野郎め」と確実に恨まれます。そうならないように、伝えるべきことは事前にすべて言っておかなければなりませんね。