ヴァイオリンを弾く人なら「いったいどういう弦にしたらいいんだろう」と悩むこともあるでしょう。
私はケチコスパを重視するのでドミナント一択です。

嘘です。

もうちょっと安いダダリオの4本セットをアマゾンで2,300円くらいで買ってます。
これですね。



さらには「探せばまだ安いのがあるだろう」と楽天を探したら「タレント」とかいう怪しい弦を発見!

4本で2,000円程度という破格の金額! 画像ではわかりませんがパッケージを裏返すと鈴木鎮一氏のありがたい推薦文まで掲載されています!! でも逆に怪しい! だけどリピートしてます!! 理由は安いから。これの他にない!

こうやって安いヴァイオリンの弦を探し回っていると音色よりも低価格を追求するようになってしまいます。まあプロじゃない人はドミナントを使おうが何を使おうが必ず音程を外したりボーイングが不自然だったりとおかしな箇所はずっとおかしなままなので大した問題はありません。

他方で「エヴァ・ピラッツィってどんな音がするんだろう?」という憧れがあるのも事実。
なにしろ4本で1万円を越えてしまうという高級品。

1万円あればホテルに泊まれます。

1万円あれば高めのレストランに行けます。

1万円あればNHK交響楽団の定期演奏会のS席に座ってお釣りが出ます。

1万円あればタイ古式マッサージを90分受けられます。

こういうのと比べると1万円でヒモみたいなのが4本買えるのってあまり嬉しくないです。
それに張ってる途中で「ブチッ」とかいうリスクだってありますからなおさらです。
なおかつ、ヴァイオリン専門店の方から「エヴァ・ピラッツィは最初はキラキラした音色がするのに1週間くらいですぐにヘタる」と直接聞いたのでますます買う気がしなくなります。

一応、千住真理子さんの著作(『ヴァイオリニスト20の哲学』)によると、エヴァ・ピラッツィは
梅雨のシーズンや、オーケストラとコンチェルトを弾くときなど、ガット弦に不安を感じる場合にたまに使うことがあります。

音はむしろガット弦のような太さと豊かさがあります。音が立つ、というよりも深々と味のある音色が出ます。
とのこと。他にもドミナントとかオイドクサとかオブリガートとかいろいろな弦を紹介しているので、とりたててエヴァ・ピラッツィを推薦しているわけでなない模様。

この記事のタイトル通り、私は一度もエヴァ・ピラッツィを買ったことがありません。
いかに高級な弦といえども、あくまでも音を出すための道具であって、演奏者である私がヘタクソであれば(これは事実)、何の意味もありません。それに、エヴァ・ピラッツィを使えば上手になるというものでもありません。

結局のところプロでもなんでもなく、誰からも期待されていない(これも事実)私はドミナントを使おうがタレントを使おうがエヴァ・ピラッツィを使おうが「自己満足でしょ」の域を出るものではないのです。

え、ひどいことを書くと? いえ、私はただ事実を語ってるだけです・・・。