以前、このブログで
という記事をポストしました。
このときは、運転免許とかパスポートなどの身分証明書を様々な角度からカメラで撮影しなければならないという面倒な本人確認手順があるにもかかわらず、業者と思われる人物のアカウントがたくさん存在するという事実をまとめました。
ハンドルネームがqwerasdfのような不自然な奴、プロフィール画像と年齢がぜんぜん不一致な奴、乃木坂46にもいないような美人で謎に韓国メイクな奴、経営者で年収1500万円と「嘘だろ」と言いたくなる奴、高級車に乗っていたりとこれまた不自然な奴、自己紹介文の日本語が不自然な奴、自己紹介文がまったく空欄な奴、こいつらが一体どうやって本人確認の仕組みを乗り越えたのかまったく謎ながら、業者だということは見た瞬間わかりました。
2022年夏ごろから、こういう明らかに怪しい人物は激減しました。
ということは業者がいなくなった!? いえ、たぶん巧妙化しただけじゃないでしょうか?
本人確認の仕組みが充実すれば、かえって巧妙化するという悪循環
何かを禁止すれば、その行為が地下に潜ってしまうためかえって追跡しづらくなるということがあります。典型的な事例が禁酒法時代のアメリカ。ウィキペディアによると、「ニューヨーク市を例に取っても1万5千もの酒場が、禁酒法以降は3万2千もの「もぐり酒場」を生む事になり、酒が飲まれた量も、禁酒法以前の10パーセントも増加している」。
国民の健康を増進するという善意から始まった行為は、その狙いとは逆の結果をもたらし、やがてアル・カポネのような人物が台頭する土壌を生みました。
マッチングアプリOmiaiはどうでしょうか。たしかに見かけ上はあからさまな業者がいなくなったかのように見えます。でも次のプロフィール文を読んでみてください。
東京在住で「その他の仕事」をしている36歳。
その他の仕事なんていうフレーズ、普通の日本人はぜったいに使いません。
書くなら「鉄道関係の仕事をしている」「会計事務所で働いている」でしょう。
しかもこれ、明らかにテンプレ文章を組み合わせただけですね。
この文章は、「その他の仕事」以外のセンテンスはテンプレを寄せ集めたにすぎず、プロフィール画像はどこかのモデルさんのインスタから盗用したことが想像されます。
現実には、ごく普通の日本人女性のOmiai会員でもテンプレでしかない自己紹介文を使いまわしているのがミエミエで、ところどころ「ペットのレトリバーが大好きで」「去年名古屋から東京に引っ越してきました」のように、その人の個性の片鱗が感じられるものがごく僅かに差し挟まれているのが平均的姿です。つまり自分のパーソナリティを相手に伝わるように表現できるだけの「書く力」がない人だらけなんですね・・・。
だからこそ、「その他の仕事」なんていう詰めの甘い言葉が出てこなければ私も量産型女だと思い(失礼!)、「業者のなりすましじゃないか?」と感づくことはなかったでしょう。
2chの設立者、ひろゆき氏は「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と述べたことがあります。様々な情報が飛び交うインターネットは情報の真偽確認は必須のこと。マッチングアプリもインターネットの一部ですから、「怪しいな・・・」と思った感覚は大切にしたいですね。
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