最近ではマッチングアプリがずいぶんと普及し、普段では出会うことがないはずの人とも一緒にお茶したり食事したりすることが可能になってきました。

一昔前であれば怪しい出会い系サイトではないかと思われていましたが、いやはや時代は変わりましたね。とくに2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で人と会う機会も減少し、ならばネットで出会いを求めるしかないと思った人も多いことでしょう。

で、運良くマッチングし(男性の場合、マッチングする確率は女性と比較して格段に低いです)、メッセージのやり取りを経て(男性からメッセージを送信しても、無視されたり、女性からの返事がある日を境に突然途絶えるのは当たり前のように起こります)、どうにか会うことに。

じつはここにたどり着くまでがかなり難しく、男性の場合数十件の「いいね」を送ってなんとか1人と会えるかどうか、という程度でしょう。比べる対象が不適切かもしれませんが神風特攻隊の攻撃成功率は11%ほどだったとされていますので、「会う」ということでさえ、ものすごくハードルが高いのです。

ともあれ会ってお茶したり食事したり。しかしその費用は誰が負担するのか?

そこでプロフィール欄を見ると、「初回デート費用」は空欄の男性がいます。

「え、プロフィールの他の欄は充実しているのに、なんでここだけ空欄なの? この人お金ないの?」
女性は戸惑います。不信感を持つ人もいるかもしれません。

私自身、使っているマッチングアプリで「初回デート費用」は空欄にしています。
いったいなぜ・・・。

マッチングアプリで「初回デート費用」を空欄にしておく理由

私自身はまったくお金に困っているわけではありません。まあしょっちゅうバレエを観に行ったりヴァイオリンを弾いたりしているわけですから当然です。住宅ローンも車の維持費もゼロ。だったらお金がジャブジャブ・・・、というほどではないものの投資が上手く行っているので毎月10万ほどの不労所得も発生しています。

私自身はお会いした方と食事やお茶をした場合、相手がトイレなどで離席したときに会計を済ませてしまいます。つまり相手の負担は0円。「それでは悪いから」と言われた場合、形だけということで千円札を1枚もらって終わりにしています。

ではいったいどうして「初回デート費用」を空欄にしているのでしょうか。
理由はいくつかあります。

1.「男性がすべて支払う」にした場合、「女性の負担はゼロで当然だ」と思っている人とマッチングする可能性があります。まさかこれだけ男女共同参画が言われ、それでもなお不十分だとされている現代の日本にあって、少なくとも食事やお茶代は「女性の負担はゼロで当然だ」と思っているのはずいぶん都合がよいですね。

結婚相談所では初対面のお茶代は、男性が負担することが暗黙の了解となっており、それはそういうもの(猫がニャーと鳴くのと同じこと)だと理解はしているものの、それをそのまま「そうですか」と受け止めるのは婚活市場における女尊男卑を助長するでしょう。

同様の理由により、初回デート費用は「男性がすべて払う」を設定している女性は、私から会いたいと思うことは絶対にありません。まだ会ってもいない人に「すべて」という強い表現を用いてしまうことにためらいが感じられない辺り、男性を最初からATM視していることが強く疑われます。たとえ男性にその経済力があったとしても大変失礼な話です。

2.「男性が多めに払う」にした場合、たとえばトータル3千円なら私が2千円、女性が千円ということになるでしょう。なんだか逆にけちくさい。だったら俺が全額払うよ・・・。

3.「割り勘」にした場合、なんだか自分がお金を持ってないみたいに思われるじゃありませんか。おいおい、毎月10万の不労所得はどこへ行った!?

4.「相手と相談して決める」。論外。いちいちそんなこと相談したくない。私が黙って一万円札を出せばそれで終わる話です。


以上の理由により、私は初回デート費用を空欄としています。

ちなみにマッチングアプリというのは、プロフィールは「盛る」ことが可能です。女性の顔写真だってアプリで加工されていることがザラにあります。男性も年収や身長が本当のことを書いているかは分かりません。また、男女ともに、「私の性格は〇〇です」というのは就活中の大学生の「私はバスケ部副部長でリーダーシップがあります」くらいのものでしかないのだということが身にしみてわかりました。

結局のところ、男女ともに利害丸出しで自分勝手に選ぼうとしては逆に自分が選ばれず、そういう欲深さをうまくカモフラージュしようとしている(が、ミエミエ)なのがマッチングアプリの世界です。人間って本当にくだらないですね。