ヴァイオリンも弓も高額なものですから、誰もが大切に取り扱います。
何しろ音楽大学を目指そうものならヴァイオリン本体だけで200万~300万はするでしょう。
弓はその半額くらい。あ、もうこれだけで車が買えちゃいますね。
弓が半額だから大したことない? いえ、フェルナンブーコという、いまではワシントン条約で輸出入が規制されている木材で作られています。ただの棒切れにみえて(英語で弓はBow=ぼう)貴重なものでした。
こういうものですから、1セットしか持っていない人が大多数でしょう。
実は私は普段使っている70万円のヴァイオリンと40万円の弓の他に、20万円のヴァイオリンと5万円のカーボン弓を持っています。
スペアを持つと、こんなメリットが・・・。
ヴァイオリンと弓のスペアを持つメリット
私は帰省したり旅行に行ったりするとき、ヴァイオリンを携えるときは必ずサブつまりスペアのほうを持っていきます。
新幹線の中で盗まれたり、飛行機の座席上方の収納エリアから落として破損したり、ホテルの部屋や手荷物預かり所で紛失したり・・・、と長距離移動や自宅以外に滞在することなど、楽器の安全な保管や運搬にはかなり気を使うものです。もはやヴァイオリンの存在そのものがストレスです。
が、これがサブ楽器つまりスペアなら盗まれたり、紛失したりしてもまだ「これはスペア、あくまでもサブだったから」と落ち込まなくて済みます。
え、ここは日本だからそんなに失くならない? たしかに私自身も楽器を盗まれたことはまだありません。とはいえ、世の中にはこういう事例があります。
練習後、倉庫に入れたベースが盗難被害に
Twitterのおかげで2日後に無事発見
商学部 4年生
――盗難被害に遭った日の状況を教えてください。
昨年11月中旬、朝8時から学生会館地下1階の練習室でサークル活動をしていましたが、倉庫にベース(楽器)を置いて授業へ行き、昼休みに戻ってきたところ、ベースがなくなっていました。1・2限の授業があった自分だけ先に出たので、その後の状況が分かりませんが、恐らく他のサークル員が鍵を閉め忘れたようでした。周辺を探しても見つからず、警察へ被害届を提出し、学生生活課にも報告しました。
――ご自身のベースだけがなくなっていたのでしょうか?
他のサークル員にも確認しましたが、僕のベースだけが盗まれていました。1年半前に40万円かけて購入したこともあり、倉庫の奥の方に入れるなど用心してはいましたが、良い物だと気づかれ狙われたのかもしれません。(https://www.waseda.jp/inst/weekly/feature/2018/04/09/41447/より)
この学生の楽器は、中古楽器店に出品されていることが判明し、お店に連絡して発見することができたそうです。しかし、巨大なベースを持ち出すなんて、犯人は心臓に毛が生えているとしか言いようがありません。
これは大学内での盗難事件ですが、不特定多数が出入りするホテルでも盗難が発生しているようで、「ホテル 盗難」のようなキーワードで検索するとたくさんの事例が見つかります。
そうやって気になって調べれば調べるほど・・・、高い楽器を持って色んなところへ出歩くことってけっこうリスキーな行為だということが分かります。知らぬが仏とはよく言ったものです。
いいことなのか悪いことなのか、ヴァイオリンを弾いているとなんだか金銭感覚がバグってきて、「楽器は何百万のものを使って当然」と思えてきます。でも普通の人にそういう話をすると「なんてリッチなんだ!」と仰天されるんですけどね・・・。
おかげさまで、サブ楽器として20万くらい出すことなど、「別に~」のレベル。
これくらいの価格帯のヴァイオリンなら、ヤマハのBraviol、クロサワバイオリンのGligaなどが手に入れ易く、おすすめでしょう。
こちらの動画は、希望小売価格90,200円のヴァイオリンを演奏しているというもの。本当にうまい人が弾けば、これくらいの価格帯の楽器でも綺麗な音色が出るんですね・・・。
弓は、手荒に扱っても木材じゃないから耐久力抜群のカーボン弓がよいでしょう。多少落としたりなどのダメージが加わっても、木製の弓のように「バキッ」という事態にはなりにくいです。あちこちフラフラ持ち運ぶには持って来いですね。
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