ビジネスホテルに宿泊すると、たいていは壁際に机が設置されています。で、机の前にあるのが鏡です。なんでこんなところに鏡があるのか・・・。酒を飲んで酔っ払ってる自分の顔が映ってしまいます。正直いらん。
ビジネスホテルに宿泊するのは自分の顔を見て化粧をしたいからじゃなくて、その机で勉強したり仕事したりする人だっているでしょう。そもそも化粧するからといってあそこまで巨大である必然性がまったく感じられません・・・。
いったい、なぜ?
と思って調べてみたところ、鏡があると部屋が広く感じられるという錯覚を利用しているようなのです。
とくにバスルームなど、限られた空間では天井まで鏡があると、効果が大きいようなのです。
しかも鏡には光を反射するという特性があります。
ホテルの照明ってけっこう暗いですよね。でも鏡のおかげでちょっとは明るくなります。
そう言われてみると納得。逆に鏡がないシングルルームを想像してみてください。
標準的なビジネスホテルは15平米程度。もっと狭いところでは10平米に満たない部屋もあります。
そういう部屋だと、普通に滞在しているだけなのになんだか圧迫感があって、閉じ込められたみたいに思えてきます。・・・と、ここまで書いて思い出したのがミラノの安ホテル。あの部屋が狭いわけじゃないのに、やけに窮屈に感じられたのはこれが理由だったのか。
だからこそ、鏡を使って圧迫感を緩和し、すこしでもお客さんにリラックスしてもらおうという配慮なのでしょう。まさか鏡をケチってネットのレビューに「星1つ」なんて書かれたらたまったものではありません。ビジネスホテルは景観がウリではありませんから、窓も小さくて、開けても隣のビルしか視界に入らなかったりします。というわけでビジネスホテルは限られた空間でどれだけお客さんにリラックスしてもらえるか、あの手この手で工夫を凝らしているんですね・・・。
ただ、世の中には余計なところに鏡を設置するホテルもあります。
ユニットバストイレのドアをガチャっと開けて、便座に腰掛けます。視線を部屋の外に向けたその先になぜか床から天井まで鏡があるのです。
ホテルの鏡なので当然、掃除が行き届いていてピカピカに磨かれています。
つまりドア開けっ放しでうんこしていると、うんこしている自分の姿がバッチリ映るんです。
これも部屋を広く感じさせるための工夫なのでしょうが、工夫が余計。ここはただの壁でいい。
なぜこんなところに鏡を設置したのか? 察するに、洗面所の鏡と対になることを目指したのでしょう。ドアを開けると洗面所の鏡とトイレ反対側の壁面の鏡で合わせ鏡というペアが成立します。そうなると無限に空間が広がるので、15平米の部屋が地球より広いことになります。
しかし私みたいに扉を開けっ放しでうんこする客がいることは想定していなかったのでしょう。
これをお読みの方で、もしビジネスホテルにこれから泊まるという方がいらっしゃいましたら、もしその部屋に鏡がなかったらどんな雰囲気になっていたか、ぜひ現物を見ながら考えてみて下さい。
そして朝は扉を開けっ放しでうんこしてみましょう。きっと開放感が味わえるはずです。
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