マッチングアプリでマッチング! ラッキー!! そう思った男性は多いでしょう。なぜって、「いいね」を100ばらまいてマッチングするのはせいぜい3,4人くらいですから。男は種をまく生きものだというのはマッチングアプリを使っていても実感できてしまいます。無性にオスの性を自覚させられます。

ともかくマッチングしたからにはメッセージを送らなければ。そう思ってあなたはいそいそと何やら爽やかそうな雰囲気の挨拶文を送ります。
ところが返事が来ない。これは「あるある」です。私もそういう経験が山のようにあります。「誠実な人が好き」とか書いておきながら、そういうお前が全然誠実じゃないぞこのクソ女。何度そう思ったことか。

これには色々理由が考えられます。


マッチングアプリでマッチングしたのに会話が始まらないのはある意味当然

マッチングアプリでマッチングしたのに会話が始まらないのは、ある意味当然でしょう。
色々ネットで検索すると理由が出てきます。

1.女は大量の「いいね」をもらうので、次から次へと目移りしてお前どころではない。

2.誤操作

3.無料機能を使いたかっただけ

4.お前のメッセージがくだらない

5.お前のメッセージがガツガツしている

6.お前のメッセージがもろテンプレ

7.お前のメッセージが気持ち悪い

この手の理由が書いてあるサイトは、なぜか記事末尾に「このアプリがおすすめ」とマッチングアプリをインストールさせようと誘導しているのが毎度のパターン。黄金のワンパターンです。

これは「アフィリエイト」というビジネスの仕組みで、そのサイトのリンクをクリックしてあなたがそのアプリをダウンロードしたり、有料会員になったりするとサイトの運営者に報酬が支払われるという仕組みになっています。要するにあなたの悩みを食い物にしているんですね・・・。

たとえば以下の画像をごらん下さい。成果報酬はいくら、と明記してありますよね。

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同じ理由で、アマゾンとか楽天の商品があちこちのウェブサイトで紹介されているのも、そのリンクを経由して商品が売れれば、その売上の一部がサイト運営者に支払われるようになっているからです。1,000円の本が1冊売れれば20円くらいの収益が発生します(実話)。

話をもとに戻しますと、マッチングアプリでマッチングしたのに会話が始まらない理由は上記1~7が主な理由ですが、そもそもインターネットでの出会いというのはリアルな実感が欠落しているので返事がなくてむしろ当然なのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐためにどこの企業も学校もオンラインミーティングのシステムを整えました。で、Zoomとかで会議をしていてもなんだか対面と比べるとコミュニケーションの濃度や熱量が不足しているなと感じた方も多いはず。表情が見え、音声が聞こえていてもディスプレイの向こう側だとそうなっちゃいますよね。

であればマッチングアプリなんて、結局1メッセージ数十文字程度の文章量でお互いのことが分かりあえるなど夢のまた夢。かといって長い文章だと圧力をかけているような不気味さが漂い、逆効果です。

しかし私はもう少し別の理由があると考えています。その補助線として「ゲシュタルトの祈り」というものに思い当たりました。これは、ドイツの心理学者フレデリック・S・パールズ(1893~1970年)がローラ夫人と共に創設した「ゲシュタルト療法」で使われる「祈り」です。

わたしはわたしの人生を生き、あなたはあなたの人生を生きる。
わたしはあなたの期待にこたえるために生きているのではないし、あなたもわたしの期待にこたえるために生きているのではない。
私は私。あなたはあなた。
もし縁があって、私たちが互いに出会えるならそれは素晴らしいことだ。
しかし出会えないのであれれば、それも仕方のないことだ。

マッチングアプリでマッチングしたのに会話が始まらない根本的理由は、このあたりにありそうです。
「わたしはあなたの期待にこたえるために生きているのではないし、あなたもわたしの期待にこたえるために生きているのではない。」
たまたまマッチングしたからといって、べつに深い関係を保証するものではなく、そのアプリの男性会員も女性会員も自己都合でインストールしたわけであって、「あなた」の期待に応えることが目的ではないのです・・・。「あなた」は「私」なんかどうだっていいし、「私」も「あなた」なんか知ったこっちゃないんです・・・。身も蓋もない話ですが、これがマッチングしたのに何も進まない理由の大本ではないでしょうか。