2022年7月現在、大阪市立美術館で開催中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」。東京、大阪そして全国各地を巡回中です。

フェルメールの名作「手紙を読む女」の修復が完了し、塗り込められていたキューピッドがその姿を表しています。修復は2021年に完了。ということは20世紀に生まれ、20世紀に死んでしまった人は完全な姿の「手紙を読む女」を見ることがなかったのですね・・・。と、余計なことを考えると「手紙を読む女」の修復が終わり、ドレスデン以外でのお披露目は日本が最初だというのですから、日本人であることのありがたみを実感できます。

私も観てきました、「手紙を読む女」。でもこの記事で取り上げたいのはフェルメールではありません。

「手紙を読む女」をモチーフにしたミッフィーのぬいぐるみです。

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(画像:https://www.dresden-vermeer.jp/goods/より)

私は・・・、男ですが・・・、買ってしまいました。4,400円。

一体、なぜ? 理由は簡単で「可愛いから」「この瞬間にしか買えないから」です。
実際には「人気商品のため一人2個まで」という掲示を見て、つい「そんなに人気なのか。よし俺も一つ買ってやろう」という余計なことを考えてしまったからというのも理由にあります。が、17世紀オランダ人の装いをしているミッフィーなんて、この先二度とないでしょう。

調べてみたら案の定転売する人がいました。アマゾンでは「手紙を読むミッフィー」と「手紙を書くミッフィー」(2,200円)のセットで17,430円。価格は2.64倍に跳ね上がっています。ということはそれだけの値段にしても売れるだろうという目論見があるわけですね。


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(画像はアマゾンより2022年8月1日キャプチャ。)


ミッフィーをこういうビジネスの対象にするのは見ていて悲しくなります。

この手の物販エリアというのは、展覧会の出口に設置されているのが普通です。
作品群を堪能したあとの多幸感が消えないうちにお金を使わせようという作戦でしょうか、それはともかく「手紙を読むミッフィー」は修復が完了してピカピカの状態を取り戻したフェルメールを見届けたあなたを待っています。このチャンスを逃すと、「手紙を読むミッフィー」が正規ルートで販売されることは二度とないはずです。「手紙を読む女」を素晴らしいと思えたら、その思い出のためにもミッフィーと一緒に帰りたいですね。

ちなみに「手紙を読む女」を収蔵しているのはドレスデン国立古典絵画館です。
しかしドレスデンという街は日本からの直行便はなく、フランクフルトから乗り換えで空路1時間かかります。ベルリンからですと鉄道IC、ECで約2時間です。行くだけで相当手間がかかります。つまり「手紙を読む女」を見ようと思ったらこれが日本で見られる最初で最後のチャンスかもしれません。正直、無理してでも修復が終わって輝きを取り戻した(ほんとうに光って見えるんです)「手紙を読む女」を目撃する価値はあります。