マッチングアプリを使っていると、同時並行で複数のお相手とお茶したりご飯を食べに行ったりというのは当たり前のように行われる行為です。

逆に言うとマッチングアプリ以外での人との出会いではそういうことはあまり起こりうることではありません。つまりそれだけマッチングアプリという仕組み自体が「出会い」に特化した、人間の日常生活サイクルからかけ離れたものだということです。よく言われていますよね、会ってから3度目のデートで告白するのが平均的だとか。でも一回のデートに1日たっぷり使ったとしても、ともに過ごした時間はせいぜい20時間程度でしょう。それでお互いの深いところを分かりあえるとは思えません。

そんなんで付き合い始めていいのか? ギャンブルじゃないのか? お互いの人生を良くも悪くも変えてしまう可能性が高いんだから、もっと慎重に考えるべきだろう? と私など一抹の不安を覚えてしまいます。

他方で、切れるときは簡単に切れてしまう人間関係もマッチングアプリの特徴です。
何大学を卒業して、どこに立地している何という名前の会社で働いていて、どこに住んでいるのか。そういうところをお互いうまく伝えられないまま、2度3度とデートを重ねた結果、「なんとなくいい感じになってきたぞ」と思っていてもそれは勘違いでしょう。なぜって、男女ともに同時並行で複数の相手と交渉が(これはもう恋愛じゃなくて交渉ですね)進んでいるのですから・・・。

で、あるとき突然「日曜に一緒にお出かけする件なんですけど、突然仕事が入って会えなくなりました。ごめんね」。はい終了。また連絡があるはずだ? いやあるわけないだろ文面で気づけ。


「仕事が入って会えなくなりました」とか分かりやすい嘘www

私の場合はまさにこれ。
1度目は一緒に食事をして連絡先を交換しあい、この時点でマッチングアプリではなくLINEで連絡を取り合うようになりました。さらに2度目に会った時はアフタヌーンティー。いつも松屋で食事をしている友だちいない陰キャの私にふさわしくない優雅な空間です。このあとはもう敬語を使うのをやめてお互いあだ名で呼び合うようになりました。

「ワイ、これ行けるんじゃね?」

愚かにも勝ち確だと思っていました。勘違いも甚だしい。

3度目に会った時は、また食事をしました。このときに交際を申し込むこともできなくはなかったのですが、その翌週にもっと長い時間会う約束がすでに成立していたので、「次は、これからのことをゆっくり話したい」と言って駅で別れました。

さてその後、連絡をしてみるもなんとなくいつもよりもレスポンスが遅い。ヒヤッとしました。まあ返事は来たのですが、いつもと違う感触に違和感を感じました。

この第六感というのは的中するもので、翌日またメッセージを受信。

「日曜に一緒にお出かけする件なんですけど、突然仕事が入って会えなくなりました。ごめんね」

ちーん・・・。

私はすべてを察して、「あっ、そうなんだ・・・。また空いてる日があったら教えてね」と返事しました。もう会うことはないだろうと思いながら。

やれやれまたゼロからやり直しか。そう思ってマッチングアプリを起動すると、「このお相手は退会しました」。
つまり私と3度目に会ったその直後くらいのタイミングで別の人と交際をスタートさせたのでしょう。仕事が入ったというのは分かりやすい嘘だな、とメッセージを見た瞬間分かりましたが、「このお相手は退会しました」で本当に第六感というのは正しいのだと確信。

このやり取りが続いたのは1ヶ月ちょっとですが、複数の男性に対してあだ名で呼び合ったり、いい感じの文章を送ったりと、女ってほんとに器用だな・・・、種まくのが仕事の男ならまだ分かるけど、女もそういうことってできるんだ・・・、と逆に感心しました。

でも嘘はいけません。せめてもうちょっとバレない嘘を作り込むか、正直に言いましょう。
男をうまく騙したつもりでも、しっかり気づかれています。これ以上の人間関係は無意味なので黙って立ち去っていくだけです。以上。