本日2022年3月26日は渡辺麻友さん28歳の誕生日です。彼女が芸能界を引退し、早いものであと2ヶ月ほどで2年が経過しようとしています。
それでも今なお、多くのファンの方たちがツイッターなどでこの日を祝っているのを見るにつけ、彼女の影響力は強かったのだと改めて思わざるを得ません。
多くの中学生・高校生たちが渡辺麻友さんに憧れて芸能界を目指したこと、また現にアイドルとして同じ舞台に同業者(ライバル)として立ちながらも、そのことを公言して憚らないこと・・・。彼女の一挙手一投足が強力な「メッセージ」であったのでしょう。
「ストイック」という言葉で語られることが多かった渡辺麻友さん。今にして思えば、多感な10代、20代にあって普通の女性ならけっして経験することのない世界、出会うはずのない人と交流し、多くの物事を吸収しつつもファンを心配させるようなニュースが何一つなかったこと、これもやはりアイドルとはいかにあるべきかという彼女なりの「メッセージ」だったはずです。
15年前なら知らず、AKBがブームとなり一世を風靡してからは数多くの「アイドル」が誕生しましたが、その多くは残念ながら芸能界で自らが思い描いたはずの将来を実現できていません。
渡辺麻友さんと彼ら・彼女たちを隔てるものは、所属事務所の営業力や自分の持ち味、その時の社会からのニーズとの相性など、様々な理由も売れるか否かの要素ではあるものの、やはり自分自身の心のなかに表現すべき(表現せずにはいられない)「メッセージ」があったかどうかではないでしょうか。
時間とは命である
かつてノートルダム清心女子大学の学長を務められた渡辺和子さんは、つねづね学生たちに「時間の使い方は、そのままいのちの使い方なのです」と教えていたそうです。(『置かれた場所で咲きなさい』より)
その渡辺和子さんときっと相性が悪いであろうライブドア元社長、堀江貴文さんも「時間=命」と公言しています(事実、渡辺和子さんは名指しではないものの、「残念なことに人の心はお金で買えると言っている人がいました」と著作で批判していました)。
スティーブ・ジョブズにしても「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない」と2005年のスタンフォード大学卒業式で述べています。
であれば、アイドルこそまさに限られた時間を最大限に活用しなければならない職業であり、渡辺麻友さんは彼女自身の貴重な10年を超える時間を100%、いやそれ以上に活かしました。
そのような時間の使い方をしたからこそ、今なお多くのアイドルたちが彼女への憧れを口にするのでしょう。
渡辺麻友さんのよき仲間であり、また時にはライバルでもあった前田敦子さん、大島優子さん、そして指原莉乃さんを含め、多くのアイドルがAKBというプラットフォームを通じて私達にエネルギーを届けてくれました。たとえアイドルというものが結局は一過性のものであり、10年後には「なんだったんでしょうね、あれ」と言われるものであったとしても、芸能界で成功しようと努力した彼女たちの姿勢はやすやすと忘れられるべきものではないはずです。ましてやいついかなる時も節度を失わなかった渡辺麻友さんの姿は、ややもすれば易きに流れがちな私たちの心を今なお奮い立たせるに十分でしょう。
「手にとれば 高き梢(こずえ)の花の香も 下枝(しづえ)のものと かわらざりけり」。これは戊辰戦争において旧幕府軍の重臣であった荒井郁之助の残した和歌です。高い枝に咲き誇る花も、下の方でひっそりと咲いている花も、同じようにかぐわしく美しい・・・。動乱の時代を生き延び、明治時代には翻訳・気象学にはげみ、やがては初代中央気象台長に任じられるまでになった彼の観照が綴られています。
芸能界を引退し、一市民として生活を送っている以上、渡辺麻友さんは私たちの前に姿を現すことがないはずですが、たとえアイドルでもなく、女優ではなくても、彼女が過ごす一日一日の尊さに変わりはないはずです。桜の花に、高いも低いもないのと同じように・・・。
ここに一ファンとして、28回目の誕生日を心よりお祝い申し上げます。
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