大学入試というと基本的に一発勝負なので緊張しがちです。
とくにコンタクトレンズを使っている人は目が乾燥して、目薬を使いたくなることもあるでしょう。
しかし目薬って使っていいのでしょうか? 勝手に使って不正行為と認定されてしまったらたまったものではありません。 実際のところどうなっているのでしょうか。 大学入試関係の仕事をしたことがある私もコンタクトレンズ利用者なので調べてみました。

ああ、目がかゆい、乾燥する・・・。

大学によって異なる目薬の取扱

令和4年度大学入学共通テスト受験案内によると・・・。
受験票、写真表のほかに試験時間中、机の上に置けるものは、次のとおりです。
・黒鉛筆(H,F,HBに限る。和歌・格言等が印刷されているものは不可。)、鉛筆キャップ

(中略)

・眼鏡、ハンカチ、目薬、ティッシュペーパー(袋又は箱から中身だけ取り出したもの。)

とあります。少なくとも国公立大学への最初の関門である大学入学共通テストでは目薬は使ってもOKだと分かりました。

ではそれぞれの大学ではどうなっているでしょうか?

たとえば明治大学の2022年度一般選抜要項では・・・。

使用を認めるもの
鉛筆(HB・黒)、鉛筆キャップ、シャープペンシル(HB・黒)、プラスチック製消しゴム
鉛筆削り(電動式・大型のもの・ナイフ類は除く。)
時計(辞書書・電卓・端末等の機能があるものや,それらの機能の有無が判別しづらいもの・秒針音のするもの・キッチンタイマー・大型のものを除く。)


使用を認めないもの(例)
ラインマーカー,カラーペン,色鉛筆
耳栓
下敷
電子辞書,携帯電話・スマートフォン,ウェアラブル端末,IC レコーダー
等の電子機器類
(試験場に入る前にアラーム設定解除のうえ電源を切り,カバンにしまってください。)
コンパス,電卓,そろばん,定規,グラフ用紙等の補助具詩歌・格言等が記されている鉛筆
※正答を示唆する可能性があるものは,原則として使用を認めません。
目薬のことは触れられていませんでした。

東京女子大学2022年度一般選抜入学試験要項では・・・。
ハンカチ、ティッシュペーパー(袋または箱から中身だけ取り出す)、座布団、ひざ掛け、目薬、冷却ジェルシート、使い捨てカイロは監督者の指示に従って使用してください。いずれもなるべく無地のもので、文字や地図等がプリントされているものは避けてください。
目薬は監督者の指示に従う限りでは使えました。

同志社大学2022年度一般選抜入学試験要項では・・・。
机の上に置ける物は、受験票、筆記用具(ボールペン・色鉛筆・マーカーは不可、黒鉛筆・シャープペンシルは可)、鉛筆キャップ、消しゴム、鉛筆削り(電動式・大型のもの・ナイフ類を除く)、時計(辞書、電卓、端末等の機能があるものや、それらの機能の有無が判別しづらいもの・秒針音のするもの・キッチンタイマー・大型のものは不可)、眼鏡、下敷き(ただし、下敷き使用の場合は、試験監督者の許可を得てください)、ティッシュペーパー(袋または箱から中身だけ取り出したもの)、目薬です。そのほかは使用できません。なお、ひざかけの使用は認めますが、不正行為防止のため試験監督者が頻繁に巡回することがあります。

福岡大学2022年度一般選抜要項では・・・。
机上に置けるものは、受験票・筆記用具・時計(計時機能だけのもの)・眼鏡・目薬・ハンカチ・ティッシュ(袋から出したもの)です。各自の持ち物は椅子の下に置いてください。
南山大学2022年度一般選抜要項では、筆記用具、時計、昼食、マスクについて説明がありましたが、目薬は触れられていませんでした。
面白いことに「試験会場でアンケートを取る者がいても、本学とは無関係」という注意書がありました。ウケました。私の同級生が島根県立大学を受験したとき、「アンケートに回答してくれた方は、後日合否の電報を送ります」と校門近くで呼び止められたので個人情報を提供しました。すると試験終了後に試験監督が「アンケート云々と言っていた者は詐欺なので、警察に被害届を提出してください」。あほくさ・・・。

気になる国公立大学ですが、たとえば東京大学、東京都立大学、埼玉大学、千葉大学の2022年度一般選抜要項を調べてみたところ、目薬はおろか鉛筆やシャープペンシル、定規やコンパスの使用可否については何も説明がありませんでした。もしかすると受験票に注意書があるのでしょうか??

まとめ

結局のところ、入試要項に書いてあることがすべてです。
自分が受験する大学の入試要項に目薬のことが書いていないにもかかわらず、なぜか自分がドライアイだったりするとかなり気になりますね。というか「目が乾いたらどうしよう」と集中できなくなるかもしれません。

目薬を使っていいか気になったら、試験当日、1限目の前に試験監督に「目薬は使えるのか?」と質問してみるといいでしょう。目が乾いてから質問してみても、試験監督は普通、自分の判断で答えません。入試本部に問い合わせたうえで、本部関係者が合議のうえ決定しますから、答えが返ってくるまでしばらく待たされます。だから試験開始前に質問しておくほうが有利です。