12月の最後の給与で年末調整が実施され、1年を通じての所得税額が確定します。
大抵の人は所得税が還付され、お得な気分になることでしょう。
実際は過剰に納付していたものが戻ってくるだけの話なので、プラスマイナスゼロなんですけどね・・・。

この年末調整を行うため、生命保険などを契約している人は控除証明書を提出します。

「〇〇生命 〇〇プラン 15,000円」のような数字を「令和◯年分給与所得者の保険料控除申告書」に記載していくわけですが、この業務に携わっていると、たまにマイナスの金額が記載された控除証明書を提出してくる人がいます。

「〇〇生命 〇〇プラン -15,000円」のように保険会社が発行した証明書(はがき)にしっかりマイナス記号が書かれています。
給与計算を担当していると、一体どうすればいいんだ? と困り果てることになります。

で、国税庁に電話しても「ただいま混み合っています」でつながらず、地元の税務署に電話しても同じ状況。まさかこいつら、国民に近寄ってほしくないと思っているのか? そんな疑いが湧き上がってきます。


さて一体どうすればいいのでしょう。正解は・・・。
正解は、「ゼロより小さい値はないので、合計値がマイナスの場合は0円として取り扱う」です。
これは2021年11月、私の地元の税務署に電話して(つながらなくて何分も待ったが)確認しました。


年末調整はでたらめな書類との戦いである

以下は余談です。保険料控除申告書は、私の職場ではこういう出し方の人がいます。

1.そもそも書き方が分からず、空欄のままはがきだけ添付して提出してくる
こういう人は書き方を学ぼうという意欲そのものが存在しないので、何度説明しても1年後には元の木阿弥になります。大抵「やってもらえて当たり前」というマインドセットなので、どうしようもありません。


2.無関係な書類を提出してくる
保険料控除申告書とともに添付するのは、当然ながら保険料控除証明書です。でも「〇〇がん保険の保障内容は云々」という、金額ではなく保障内容を説明した書類を添付してくる人がいます。
こういう人に限ってなぜかいくつもいくつも生命保険を契約しており、何枚もはがきを添付してきます。どうやら自分がどういう狙いでこの生命保険に加入したのか、その意味をいまいちわからないまま別の契約を取り交わしているようなのです・・・。まさか自己管理できない人なんじゃ・・・?

提出された保険料控除申告書は・・・、案の定デタラメで、生命保険も新契約と旧契約を区別していなかったり、生命保険と介護保険を間違えていたりと、それではがきが何枚も何枚もあるのでそれを見返しながら担当者が書き直す羽目になります。いい加減にしろ!!


3.年末調整の意味をわかっていない
複数の職場で働いている人は、あなたの会社では所得税は「甲欄」として取り扱われていないはずです。そうなると大抵「乙欄」になります。
でもその「乙欄」の人が、年末調整のために別の職場の源泉徴収票をあなたの会社に持ってくることが。いやいや、年末調整の対象となるのは「甲欄」として支給された給与、賞与ですから、乙欄にかかる課税所得は確定申告しなければなりません。
・・・なんていう話をしてもキョトンとしていることも。だめだこりゃ。

その他、「乙欄」の源泉徴収票とか、「去年の」源泉徴収票を「今年の年末調整に使ってください」と言って提出してくる人も。源泉徴収票は、甲欄乙欄、令和何年分かをよ~く見てから受け取りましょう。


4.年末調整の呼びかけをスルー
これもたまにいます。翌年の扶養控除等申告書を何度リマインドしてもノーリアクションの人。
当然保険料控除申告書もいつまでも提出してきません。
こういう人は昔からそういう人なので、関わらないのが吉です。


このように年末調整は、「やってもらう」側からすれば「面倒な書類の記入」でしかないのですが、「やる」側になるとその人の(負の)パーソナリティがもろに表れる手続なのです・・・。