ヴァイオリンの発表会であるあるなのが、「他の人と曲がかぶってしまった!」ということ。
あっちのほうが上手いんじゃないかとか、お客さんに比べられてしまうんじゃないかとか、いろんなことが頭を駆け巡ってろくなことになりません。

ちなみにある年の日本音楽コンクールでは、ファイナリスト4名のうち3名が同じ曲だったことがあり(たしか、チャイコフスキーかシベリウスかのヴァイオリン協奏曲でした)、こりゃ演奏する側だけじゃなくて聴くほうもキツいだろうなと思いました。

というわけで他の人と同じ曲を演奏しないために、「アマチュアでも頑張れば手が届き、かつあまり知られていないような作品」を探し回ることになります。

第3弾はアザラシヴィリの「ラフマニノフに捧ぐ」。

甘美なメロディ、アザラシヴィリ「ラフマニノフに捧ぐ」

アザラシヴィリ? 誰? 知らないよ!? 
私も知りませんでした。でもすごくいい曲なのです。



素晴らしい曲でしょう? ラフマニノフみたいにメランコリックで(題名からして当然か)、難技巧を散りばめたという風情でもありません。ちなみに調性はフラット4つ。音程が取りづらいですが、この曲に手が届きそうだというくらいのレベルの人なら何度も練習すれば十分乗り越えられるハードルです。

楽譜もアマゾンで普通に取り扱いがあるため(いつ品切れになるかわからないが)、誰でも購入可能です。

アザラシヴィリという作曲家は、楽譜の最終ページに記載された略歴によると1936年生まれで2021年現在存命。
ジョージアの芸術功労者、トビリシの名誉市民であり、1971年以降トビリシ国立音楽院での教育活動を行っているそうです。
最近までグルジアと呼ばれていたジョージア。缶コーヒーじゃないですよ。西アジアに分類されたり東欧に分類されたりする、トルコの北に位置する国です。たぶん世界地図を見せられてもぱっと指差すことができる人は少数派ではないでしょうか。

失礼ながらジョージアといえばスターリンくらいしか有名人(?)が思い浮かばないのですが、日本でも楽譜が発売されているくらいですから本国ではさぞかし尊敬されている作曲家なのでしょう。

ともかく「ラフマニノフに捧ぐ」を演奏したいんですけど、と先生に相談してみたら、「なんだこの曲は!?」というリアクションが返ってくること間違いなし。実際に弾く弾かないは別として、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」が好きだという人は一応アマゾンでポチっておいて後悔はないでしょう。