2020年から2021年に至るまで、新型コロナウイルス感染症が社会の重大問題となりました。

・・・私以外は。

私は初期のころから「人がバタバタと死ぬ病でもあるまいに、何を大げさな」と完全に呆れていました。

そこで2020年のゴールデンウィーク前には
という記事を公表し、みんながやっていることが正しいとは限らないこと、ばかりか長期的にはかえって悪い影響をもたらしうること、そのことを事後的には誰も検証せず、無反省のうちにわれわれは「戦後」を無為に過ごすことになるだろうと自分なりに警鐘を鳴らしたつもりです。

2021年初夏には
にて、コロナをめぐる騒ぎは満州事変~日中戦争の戦争報道と相似形をなすことを書き留めておきました。

私の考えとしては、「日本人、コロナで騒ぎすぎだろう」「毎年たとえば肺炎で9万人、インフルエンザでも3千~1万人、結核でも2~3千人死ぬのが日本という国の事実であり、それを当然のごとく否気にすることもなく受け入れていたのにその事実すら把握しようともしないで、今更”いのち”などなんと馬鹿らしい」という考えです。

そういう私からすれば、みんなが至るところで手指消毒をする姿に強迫神経症のようなものを嗅ぎ取り、『マクベス』に登場するマクベス夫人をどうしても連想してしまうのでした。当然、嫌悪感しかありません。

手を洗うマクベス夫人

スコットランドの武将マクベスは荒野で出会った3人の魔女の予言を聞き、野心的な妻=マクベス夫人のそそのかしにも屈して王ダンカンを殺害、自分が王となったものの自分もダンカンと同じ目にあうことを恐れるあまりますます血が流れる・・・、というのが『マクベス』のあらすじです。

ウィキペディアによると、

マクベス夫人は夢遊病に冒されている。侍医と侍女が隠れて見守る中、マクベス夫人は夜中に起き出して、手を洗う仕草を繰り返す。「血が落ちない」とつぶやき、ダンカン王殺害時の言葉を喋り、バンクォーやマクダフ夫人殺害を悔い、嘆き続ける。侍医は治療の手立てはないと判断する。

とあり、のちにマクベス夫人は自殺します。彼女のセリフは・・・。

まだ、ここに、しみが。
消えてしまえ、呪わしいしみ! 早く消えろというのに! 一つ、二つ、おや、もう時間だ。地獄って、なんて陰気なのだろう! ええ、情けない、あなた、情けないったらありはしない! 武人だというのに、こわがるなんて、それでよいのですか? 誰が知ろうと恐れることがあって? 権力に向って罪を責めるものがあるとでも? でも、誰だって思いもよらないでしょうね、年寄りにあれほど血があるなどと?

ファイフの領主には妻があった、どこへ行ってしまったのか? まあ、どうしてきれいにならないのかしら、この手は? もうたくさん、あなた、もうたくさんです。そんなにびくびくしていたのでは、何もかも台なしです。

まだ血の臭いがする、アラビアの香料をみんな振りかけても、この小さな手に甘い香りを添えることは出来はしない。ああ! ああ! ああ!

さあ、手をお洗いになって、夜着を着ていらっしゃい、そんな顔色なさっていてはだめ。わかりまして、バンクォーはもう墓のなか、出て来られるはずはない。

(シェイクスピア『マクベス』福田恆存訳、新潮文庫より)
日本人が感染症を恐れて手指消毒をするのは一応は理解できますが、そもそもパンデミックなどと言われている割には、日本では死者が極めて少なく、「そこまでするか」と思わざるを得ません。

この記事を書いている時点の数値ですが、2021年10月1日において東京都におけるコロナ死者は2名。


metro


(「都内の最新感染動向」https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/ より)

これでもなお手指消毒にこだわるのであれば、本当に恐れているのは感染症ではなく他人の目線であり同調圧力でしょう(だから私は手指消毒にほとんど協力していません)。そんなものばかり気にしているとマクベス夫人みたいにメンタルを病みますよ・・・。

それと、とくに子供がそうなのですが、清潔すぎる環境に置かれると長期的には免疫力が育たず、後々アレルギー疾患に結びつく可能性が高まるのです・・・。
たとえ大人であっても消毒液を使い過ぎる事で手が荒れ、逆に病原体の温床になる可能性があります。

ほとんどの日本人は短期的、長期的なメリット・デメリットを考えて手指消毒をやってないでしょうね。私はこの1年半で日本社会のアホらしさを身にしみて感じ取り、「他人の人生などどうでもよい」というスタンスになりました。一生マクベス夫人ごっこでもやっていろ。