これは不思議なことです。

オペラを観に行っても、バレエでも、ミュージカルでも・・・。

なぜかいつも女性はちゃんとドレスアップして「非日常です」「今日はいつもと違います」感を演出しています。

ところが男性となるとなぜか「近所のコンビニからワープしてきました」のような、非日常もへったくれもないようなほど、服装がださいのです。謎!

私があるときエレキギターの演奏を教室の発表会で披露したときのこと。
これは披露といってもほんとうにバンドを結成して椎名林檎なりRADWINPSなり思い思いの曲を演奏する本格的なもの。

打ち上げで先生は一喝しました。
「男子に言いたい! 服がダサい!」

ガクッ・・・。
一体どういうことかというと、たとえ本番であっても男子はいつも普通のTシャツとジーンズだったりと代わり映えしないのに、女子はちゃんとメイクをしたり曲の世界観にマッチした衣装を選んだりと、舞台に立つことを意識しているので男女の落差がものすごい、それで演奏のレベル以前に雰囲気が出ないということを言いたいようなのです。

・・・、そういう目で周りを見てみると、あるわあるわ似たような例が。
たとえば大学の卒業式で、男子はたんなるリクルートスーツなのに女子は高いお金を払って髪をセット、もちろん袴。
卒業生を見送りに来た後輩たちも、男子は普通にパーカーとかで女子はちょっとおしゃれな服に、パンプスを合わせて来たりと工夫が見られます。

会社に入ってからも男性はいつも似たようなスーツ。女性は一応毎日着回しを意識しているのでいつも同じ服に見えるということはありません。
そもそも男性がファッションに気を使う意識が希薄なのが原因なのだろうと思います。それに、服を買いに行っても男性が着る服のアイテムやパターンは女性とくらべて明らかに少なく、色も白と黒、グレー、あとはせいぜいブルーくらいに限られます。女性なら赤も青も白もピンクも薄緑も、似合っていればなんでもありなんですけどね。

とはいえバレエ、オペラ、ミュージカルを観に行くときくらいは何かしらの工夫をしよう、ただの縞々のシャツはやめようという発想をすればいいのに、そもそも普段からファッションに気を使っていないのでそういうことに気づくアンテナが低いことが想像されます。

ユニクロやGUでもそれなりの品質、見栄えがするものはたくさんあります。
「フルトヴェングラーの指揮が」「ラトルとベルリン・フィルのマーラーが」とかの話はほどほどにして、いろいろ想像力を働かせて自分なりに「こういうシチュエーションでこの着回しはどうだろう」とアパレル店で試行錯誤をしてみるしかないのですが、そもそも私が劇場に通い始めた20年前から状況は変わっていません。ということはこれからもそうでしょうね・・・。ガクッ・・・。