ヴァイオリン学習者が一度は通る道であるバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」。
私も通ることになりました。本当はあまり好きではないので先生が次はこれをと言うたびにモーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番」に手を付けたり、同じバッハの「無伴奏」の易しめの曲を始めたりと逃げ回っていましたが、ゴリ押ししてくるので「これは逃げられないやつだ」と諦めて楽譜を取り寄せました。


そして先生に楽譜を見せると、練習上での注意点を教えてくれました。
私なりに理解できたところも交えながら書き留めておきたいと思います。

1)この曲は、作曲当時の様式がそうだったのだが、明確に「どこからどこまで」のように切れ目がはっきりしたメロディとかテーマがあるわけではない。その代わりに複数の楽器が入れ代わり立ち代わりからみあい、織物のような構成になっている。

2)したがって、アンサンブルとして堅固であるべき。まさに「堅固」というのがバッハらしいところ。どうやら彼は頑固者だったらしい。この「堅固」をおろそかにしてしまうとクオリティが低くなる。

3)よって、ある程度譜読みを終えたら、メトロノームを用いること。4分音符=66くらいから始めるのがよい。速くないテンポで、ただし狂いなく演奏できるように。一点一画の誤りもゆるがせないようにしてほしい。そうしないとアンサンブルが崩れる。

以上を守って演奏しなさいと言われました。

息が詰まるバッハ

・・・なんて堅苦しい曲なんだ。
初めてこの曲を聴いた20年前にそう感じてしまい、今に至るもその印象は覆っていません。
アンサンブルの綾なす面白さを感じ取れるから好きだという人も世の中にはいらっしゃるのかもしれませんが、第1楽章の複数の楽器の対話も2,3人からまとめて説教されているような、バッハ特有の抹香臭さがにじみ出ています。
第2楽章もやはり真面目すぎてリラックスできません。第3楽章も「何をそんなに急いでいるの」というせわしなさが感じられます。

・・・と思いながら楽譜をもう一度見返すと、なんと「ニ短調」。レクイエムは決まって「ニ短調」で書かれており、死の調とまで言われることも。「2つのヴァイオリンのための協奏曲」もニ短調。この調性をバッハが選んだ時点でこの曲が堅苦しくなる運命だったのかもしれません。

つい先日までモーツァルトの爛漫とした、それでいてどこかに儚さがふっと紛れ込むような世界から一気に死の世界(?)に突き落とされてしまったような気がします。

毎朝音階、エチュード、そのあとにニ短調のこれを弾いて出勤するのか・・・。がくっ・・・。