大学生になると、学部や学科によっては第二外国語を選択することがあります。

第一外国語は普通英語ですね。この他にフランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国・朝鮮語のうちどれか一つを選びなさいというのがよくあるパターンだと思います。

経験的に言うと、フランス語を選択する人が全体の25%ほどでロシア語以外の他の言語が大体同じくらい、ロシア語を選ぶ人だけすごく少ないというパターン。

ところがなぜかドイツ語を選択する人は陰キャとかいう風潮があるようなのです。
友だちいない陰キャな私も大学時代にドイツ語を選びました・・・、というとますますドイツ語=陰キャ説を補強してしまうじゃありませんか。

どうして自分はドイツ語を選んだのか、自分なりに振り返ってみました。

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友だちいない陰キャな自分がドイツ語を選んだ理由

私は日本でも有数のマンモス大学に在籍していました。4年間通って、友だちはゼロでした。
グループワークを1人でやったこともあります。

その私がドイツ語を第二外国語に選んだ理由とは・・・。

1.ドイツ文学に憧れていた
中学、高校のころにドイツ文学とくにヘルマン・ヘッセやアーダルベルト・シュティフターの小説を読んで大きな感銘を受けました。ヘッセの『青春はうるわし』の20世紀初頭の匂いたつような情緒あふれるドイツの田舎の情景は、読んでいるだけでベートーヴェンの『交響曲第6番 田園』が頭のなかに湧き上がるほどでした。

シュティフターの『石さまざま』も、水晶やみかげ石といった石に人の行いのちっぽけさと、それでも生きようとする誇り高い人間を格調高く描写する筆致に引き込まれました。

・・・という話を聞いた高校3年の担任の先生は「なんでこんな田舎の高校生がシュティフターなんか知ってるんだろう」と思った(と、卒業して何年も経過してから知りました)そうです。

でも中学、高校のときにそうやって本ばかり読んでいて友だちがまったくできなかったので、やっぱり私は陰キャですね。

2.クラシック音楽が好きだった
やはり中学~高校の頃にベートーヴェンやシューベルト、ベルリオーズやワーグナーといった作曲家たちのCDを買い集めるようになり(『銀河英雄伝説』のOVA版の影響ですね)、となると『第九』を筆頭に、ドイツ語が必須になります。

こういう事情で、私は一時期文学部ドイツ語学科というところを本気で志望していました。
結局は英語英文学科というところに進学したのですが・・・。

「ドイツ語好きの陰キャって、どうせナチスが好きなんだろwww」

映画とかアニメで制服姿がかっこいいナチス将校が出てきて、主人公を妨害するなんていうのはありがちです。
そういうのをきっかけにグデーリアンとかマンシュタインの伝記を読み始めたり、独ソ戦やバルジの戦いとかヒトラー暗殺計画とかの本を読み始めたりすると、もう完璧に私です。

当然ながらナチスといえばホロコーストであり、ヒトラーの思想は容認してはならないものだということは『アンネの日記』『夜と霧』などを読めば一目瞭然です。

しかし中学生、高校生、大学生男子というのはなぜか電撃戦とかバトル・オブ・ブリテンとかに関心を向けてしまうのでした。多分ドイツ語を選んでいる大学生もそのパターンが何割かいるはず。
でもそれを言うならK-POPに憧れて韓国・朝鮮語を選ぶ女子大生とあまり変わりませんよね。

じゃあなぜ陰キャだけが「どうせナチスが好きなんだろwww」とか言われてしまうのか。
これはもう陰キャだからやり玉に上げやすいからにほかなりません・・・。

しかし考えてもみてください。シラーといいゲーテといいベートーヴェンといい、ドイツ芸術が人類に残した至宝の数々を。カント、ニーチェ、ハイデガーといった哲学の精華を。またなぜヒトラーのような人物を民衆が支持してしまったのか、その失敗の淵源を探ろうとするには当事者であるドイツの文献を読み解くのが手っ取り早いです。
こうとらえると、陰キャだからドイツ語を選択しているのではなく、物事を深く考えるタイプの人は、一見陰キャに見えてしまうが、だからこそドイツ語を選んでいるとも言えるはずです。



うーん、陰キャで良かった!!





































友だちいないけどね!!