バッハの『無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ』のように重音奏法が取り入れた曲を演奏していると、3つや4つの和音(コード)を2+1とか2+2で素早く音を出すことになります。

コンサートでお客さんとして聴いているぶんには、寝ていてもOK。

でも自分が弾くことになると、なぜか弓がガタっとなりうまく音を出すことができません。
最初の一音を出せた瞬間はきれいでも、次の瞬間に弓がガクッとかブルッとか謎の振動が加わります。

あれおかしいな。もう一回・・・。


ダメです。


あれあれおかしいな。もう一回・・・。


またダメです。


この無限ループに陥ってしまうとどれだけ時間を費やしても同じ結果しか起きず、夜になって「今日もダメだった・・・」というがっかり感とともにヴァイオリンケースを閉じることになります。


いったいなぜ重音奏法で弓がガクッとなるのでしょうか。

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重音奏法で弓がガクッとなる理由

私もレッスンのときにバッハの『無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ』の重音奏法の部分で弓がガクッとなっていました。というか自宅だろうが先生の前だろうがとにかく弓がガクッとなります。不可避です。

先生は私の動作を見てこう言いました。
「重音奏法を弾く時、弓に余計な力が入っているのが原因ですね。無理に押さえつけようとしているから反動でガクッとなりがちです。そうじゃなくて、軽く自然に弓を(弦に当たるように)回すんです」

どうやら重音奏法を意識すればするほど余計な力が加わってしまい、かえって逆効果になっているようです。

たしかに難しいフレーズに差し掛かるとつい身構えてしまいがちなもの(私だけ?)。
が、その身構えるという動作自体が余計です。ご存知のとおり、ヴァイオリン演奏というのは僅かな体の動きでさえ音になってはね返ってきてしまうのですから・・・。

逆に、プロのヴァイオリニストの演奏するときの姿勢を見ていると実に自然に楽器を構えているというか、構え方そのものがとても綺麗な姿勢です。体を折り曲げたり構えたりするときがあっても、それはあくまでも音楽表現上必要だからそういう体勢になっただけであり、「難しいから注意しよう」とかいう低レベルな意識のせいではないことは一目瞭然。

こういう楽器を構える姿勢というのは自分ではなかなか気づかないもの。
スマホで自分の姿を撮影してもいまいち見る気が起きなかったり(おい)、具体的にどこがどんなふうにおかしい体勢で、それが音にどういう悪影響をもたらしているかというのはやはり経験豊富な先生の目線というものが欠かせません。

なんで重音奏法のたびに弓がガクッとなるんだろう? という疑問はレッスンで解けたものの、やっぱりヴァイオリンって独学は無理だよねという思いが深まってしまいました。