ヴァイオリンの弓って何本持ってるといいのでしょう?

ケースによっては2本とか、4本とか、複数の弓を収納できるようになっています。

人によっては曲や使うシーンによって弓を使い分ける人もいるようですね。

古楽にこだわる人は、バッハやヴィヴァルディを演奏するときは普通の弓じゃなくてバロック弓を使うということもあるわけで、そうなると絶対に2本は必要になります。

いつもはクラシックを弾くけれど、バンドのサポートメンバーとしてライブハウスで演奏するという人は、狭い空間の中で弓を振り回すパフォーマンスをすることだってあるでしょう。そういうシーンでは普通の弓だと危なっかしくて仕方ないのでカーボン弓に持ち替えたりとか。

ただしそういう人はヴァイオリンを演奏する人のなかでもかなり少数派だと思います。

「いつもは個人練習していて、アマオケに所属しています」とか「ピアニストの先生に伴奏を頼んで小品やソナタを弾きます」という人が大半ではないでしょうか。

そういう場合であっても、やはり弓は1本だと心細いです。2本は持っておくべきだ、というのが私の持論です。

violinbow



ヴァイオリンの弓は2本ないと心細い。ヴァイオリン本体もメインとサブの両方あると心強い

ある日の休日の夜のこと。

いつものようにヴァイオリンの練習をしようとして弓の毛を張ろうとネジを回していると・・・。

弓のネジからピキッという異音がして、それからはネジを何度回しても毛は無反応!!

なんだろう? と思って分解してみましたがとくに異常は見当たりませんでした。
ネットで調べてみたところ、どうやらネジ山がバカになっているらしいのです・・・。

こうなるともう素人にはお手上げですから、修理のために工房なり楽器店なりに持ち込まなければなりません。で、修理に1,2日かかりますというお話になり、1本しか弓を持っていないとそこで練習がストップしてしまうのです・・・。

私はメインで使っている弓の他に、サブ弓としてカーボン弓を持っていたので、そちらに持ち替えて練習を続けることができました。

これはなにも弓に限った話ではありませんが、「1」という数字はそもそも不安定なもの。
1というのは、それが欠けてしまったとき、代わりになるものが何もないことを意味します。
「欠けてしまった」なんて、大げさな。弓が使えなくなるなんて、あるはずないだろうと思っていると、わりと予想しないタイミングで、しかしいつか必ずそんなことが発生してしまうのです・・・。

そういうわけで、弓はやはり2つあるといいでしょう。
私はメイン弓は40万円、サブのカーボン弓は5万円です。5万円といってもれっきとした弓は弓。
音の伸びでは40万円の弓に聴き劣るものの、練習できない状態に陥るより100倍マシです。

欲を言えば、本体も2つあるといいですね。1つをメンテナンスに出してももう1つで練習が継続できますから。

私は70万円のヴァイオリンをメインで使っており、旅行や帰省など新幹線や飛行機に持ち込み、長距離移動をするときはサブの20万円のヴァイオリン+5万円の弓という組み合わせのものを持っていくようにしています。要するに紛失や盗難、破損というリスクに備えているわけです。

私は背が低いので飛行機の荷台にヴァイオリンケースをしまうとき、CAさんに手伝ってもらいました。
それはいいのですが、よく見たらケースが逆さやんけ!! ・・・このように私のように背が低いとか、それ以外でもセキュリティ上の理由で楽器の取り扱いを知らない人に楽器を一時的にとはいえ手渡すときもありますから、リスクヘッジとして旅先にはサブ楽器を持っていくというのも十分選択肢として検討する価値があると思います。


追記:色々な場所へ持ち運ぶ前提なら、やはりカーボン弓の耐久性は注目すべきものがあるでしょう。旅先での気候は自分の住んでいる街と同じではありませんし、「年末、実家に帰省したらメチャクチャ寒かった!」「実家は底冷えがしてヴァイオリンのペグがアホみたいに緩む!」なんていう経験をした人は私だけではないはずです。