著作権の切れた文芸作品は青空文庫で無料で読むことが可能です。

しかしネット上のテキストというのは横書きが基本ですから、これで日本文学を読もうとすると違和感しかありません。

たとえば夏目漱石『吾輩は猫である』の冒頭の文章を横書きで読むとこんな感じになります。

吾輩は猫である。名前はまだ無い。
 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。

まあ、読めなくはないですけど、明治時代の日本語を横書きで読むというのはビジュアル的にどうなんだという気がしませんか。

まあ無料だから仕方ないのですが、これをKindleアプリ(またはKindle専用端末)で読むと縦書きになり、ところどころ古い仮名遣いのまま(つまり現代の編集者の手が加わっていない)でちょっと読みにくいものの、「こんなもんかな」と許容範囲に収まります。

じつはこれ以外でも、青空文庫のテキストを縦書きにしてくれるサイトがありました。

「えあ草紙工房」です。

えあ草紙工房で縦書きに青空文庫を変換。もう本は買わなくていい?

えあ草紙工房はコチラです。

このサイトに青空文庫のURLを打ち込む欄がありまして、たとえば先程の『吾輩は猫である』のURLを貼り付けると・・・。

wagahaihanekodearu

こんなふうに電子書籍みたいに縦書きに変換されます。
ページのめくり方も簡単で、画面の左側にカーソルを合わせて左クリックしたり、十字キーの「←」を押すだけ。

ほんとうに、たったのこれだけで夏目漱石だろうが森鴎外だろうが江戸川乱歩だろうが、青空文庫に収められている作品は何でもかんでも縦書きで読めてしまいます。

『こころ』とか『それから』のような名作だけは紙の本で買っておいて、書き込みをしたり、何回も読み返すほどでもなく「とりあえず読んでみようか」という棲み分けをするには持ってこいなツールです。

いや~、便利な世の中になりました!


追記:本記事公開後、えあ草紙運営者様より、青空文庫の作品カードには「えあ草紙・青空図書館」というボタンがあり、これを利用すればURLの入力は不要になることをご教示いただきました。この他にも、えあ草紙・青空図書館サイトの利用も可能とのこと。わざわざご指摘くださり、感謝の限りです。