アメリカの大統領の回顧録を読んでいると、失敗談が目立ちます。

立派な業績を上げながらもなぜか悪く言われがちなのが、クリントン大統領。
たしかに不倫がバレて世界中にそのことが知れ渡ってしまったのは痛手でした。

そのせいなのか、アメリカ海軍の軍艦に「ブッシュ」「レーガン」を謳った艦はあっても、「クリントン」というものはありません。

それでも彼の回顧録で面白いのは、失敗しても何度でも自力で立ち上がってカムバックしてくるところです。選挙運動中、ラジオ番組に出演してマイクがオンになっていることに気づかずに悪態をついたりといったようなミスはザラにありますが、それでも翌日にはあっけらかんと人前でサックスを吹いて場を盛り上げたり・・・。

彼の姿を見ていると「腐ったら負け」という言葉は本当だと言わざるを得ません。

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物事は何事もうまく行かなくて当たり前

私がつねづねページを開くのがマルクス・アウレリウスの『自省録』。
ローマ時代の五賢帝の一人だった彼は内政に戦乱に忙しく、わずかな暇を見つけてはノートに自分を励まし、省みる言葉を書き残しています。

つねに信条通り正しく行動するのに成功しなくとも胸を悪くしたり落胆したり厭になったりするな。失敗したらまたそれに戻って行け。そして大体において自分の行動が人間としてふさわしいものならそれで満足し、君が再びもどって行ってやろうとする事柄を愛せよ。

この文章から察するに、五賢帝と称せられるほどの偉人であった彼の力量をもってしてもローマ帝国の統治は困難をきわめ、信念に基づいて実行した政策であっても効果がなく失望することが多かったようです。

心が折れないようにするために、自らをむち打ち励ますためにこのような言葉をわざわざ文章として書き残し、あとで読み返していたことが想像されます。

うまく行かなくても再チャレンジして、それでもダメだったとしても自分がやったことが悔いのないものならそれでよし。腐ったら負け。このようにも言い聞かせていたようです。

世の中簡単に済むことはない


TVをまったく見ない私ですが、その理由のひとつがこちらです。

他人の姿を見て感動するよりも、自分が全力を振り絞るほうが価値がある。
そう考えています。

当然、オリンピック選手のように走ったりジャンプできません。
私はヴァイオリン演奏とジョギングに取り組んでいますが、どちらも子供のころから集中的にトレーニングを受けた人にはぜったいに負けます。

それでも自分なりに力を尽くすこと、自分で決めた目標を追いかけて完全燃焼するということは人生にとって大切なことです。

こういう目標があり、そこを目指して行動できているかどうか、充実感があるかどうかがQOL向上の秘訣ではないでしょうか。
ああ、こういう気づきをもらえて、2000年も昔の『自省録』が愛読書で本当に良かった・・・。