2020年、ポムポムプリンカフェは横浜、そして梅田のお店が閉店に追い込まれてしまいました。
最後に残った原宿竹下通りのお店も、また・・・。
ポムポムプリンカフェ原宿店は12月28日(月)~当面の間、一時休業とさせていただきます。
ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
ポムポムプリンが好きで、ポムバサダーでもある私はなんとかしてこのお店だけは守り抜きたいと自分なりに頑張ってきたつもりでした。
私はこのブログの題名からも分かるように友だちがいないので、1人でポムポムプリンカフェに何度か足を運んで、自分なりにできる応援をしてきました。いつかこのお店がかつてのように長蛇の行列で入店30分待ちと言われ、「もう僕がしゃしゃり出る幕ではないね」、そういう一抹の寂しさを抱えながら竹下通りを引き返す日が来ることを祈って・・・。
ぼっち@3_bocchi
今日もポムポムプリンカフェに行ってきた。
2020/12/25 23:59:51
つぎに足を運べるのはいつだろう?
休業という他は決まっていないとスタッフさんが言っているのが耳に入ってきたけれど・・・。
#ポムポムプリンカフェ
#ポムポムプリン
#ポムバサダー https://t.co/1Vx1eDW49S
このブログでも、何度かポムポムプリンカフェのことを書きました。
アホのふりをして書いた記事
や、
のように真剣に書いた記事など、少しは読んでくださった方がいたようです。
それでも力は及びませんでした。一個人にできることは限られていました。
飲食店が一度休業してしまったとき、運営ノウハウを積んだスタッフはそこで離れ離れになってしまうはずですから、再起へのハードルは決して低くはないはず・・・。
そしてポムポムプリンカフェ一時休業というのもいま日本全国で起こりつつある飲食業の大量閉店の氷山の一角であることを思うと、暗澹とした気分になります。
食事を通じて人と人の交流をはかることがどれほど素晴らしいことかは、友だちがいない私にもわかります。全国のレストラン、喫茶店、居酒屋はそのための貴重な場を日々提供し続けてきました。
ところが戦後最悪の大不況の波により、その営みが否定され失われようとしているのです。
この激しい変化に、私たちのポムポムプリンカフェもまたさらわれてしまいました。
時代の流れを前にしたとき、一個人ができることは限られている
ポムポムプリンカフェに向かう途中私が読んでいたのは司馬遼太郎『燃えよ剣』。
新選組の鬼の副長と呼ばれ恐れられた土方歳三の生涯を描いた有名な歴史小説です。近藤勇や土方歳三らは維新の嵐のなか、新政府軍と戦い幕府を支える立場として戊辰戦争を戦います。
しかし勇戦虚しく、長い戦いのなかで近藤勇も土方歳三も敗れ去り、命を落とします。
彼らの戦法は銃器や砲が主力となる近代戦には向かず、また社会の動向から言っても幕府の歴史的役割は終わりを告げようとしていました。こうした状況にあって、どれほど新選組の精鋭たちが力を尽くしても押し止めることができない時代の流れというものはあったのです・・・。
では土方歳三は自分が敗者の側にあるからといって戦うことをやめたかと言えばそうではなく、むしろ最期の瞬間まで勇戦し、部下を鼓舞しつづけました。彼の姿が今なお歴史小説や映画で語り継がれているのはその姿にある種の美しさがあるからと言えるでしょう。
なぜこの時期に『燃えよ剣』を読んでしまったのか・・・、めぐり合わせがいいのか悪いのかはわかりませんが、なんとなく自分も「幕府も滅びたしポムポムプリンカフェも休業だけど最後まで支えよう」、そういう謎めいた悲壮感を覚えつつも、私はクリスマスの日に原宿駅で下車し竹下通りをまっすぐ歩いたのでした。
悲壮感といえば大げさに聞こえるかもしれませんが、2020年12月現在、竹下通りはざっと見10軒に1軒くらいでシャッターが下りているのです。ここで戦後数十年間にわたってファッションを始めとする様々な文化が積み重ねられてきたのに、それがわずか1年で失われようとしている、それが自分の世代で起こっていることをひしひしと感じるのです・・・。
ぼっち@3_bocchi
休業を覆せないとは知りつつもポムポムプリンカフェへ。これが最後かと覚悟しつつ、お店への愛着をこうして書き留めることができただけでも、足を運んだ意味はありました。
2020/12/26 00:13:52
曲がりなりにもこのために、原宿へ出向いたのです。後悔はありません。… https://t.co/ztciFCgNmb
私はこれが最後かもしれない、しかしそんなことはあるはずがない、そういう思いを胸にしながら1人でふかふかお布団でおひるねzzzふわふわスフレオムライスを口に運びました(当然マグカップ付きで注文)。
もともと渡辺麻友さんを応援していた(引退しちゃいました、グスン)私が、彼女がポムポムプリンファンだということを知り、その流れで自分もポムバサダーになり、ポムポムプリンの世界観を愛おしく思うようになりました。
自分ができたことは限りなくゼロに近いほんの僅かで、これだけのために原宿に行くなんて馬鹿げているでしょう。私1人がお店に行ったからといってお店を再開させるだけの影響力があるわけでもないのに、なぜこんなことをわざわざやったのか。無駄なことをしているということを仰る方がいても、よくわかります。
しかし無駄と分かってもなぜそれを知りつつお店に足を運んだのか。力にならないと承知のうえでやったのか。
この問いかけを書き残すだけでも、私はポムポムプリンカフェに行った意味があったと思うのです。
私はポムポムプリンカフェを支えたかった・・・、とにかくこの場のために自分なりにできることがしたかったのです。後悔はありません。
食事を終え、名残惜しい気持ちとともに店内を歩き(もちろん撮影し)、そして私はポムポムプリンカフェを後にしました。
もう日が落ちて暗くなっていました。
竹下通りを歩く人もまばらで、冬の冷たい風が私たちの間を通り過ぎて行きました。どうかまたこの道をたどってあのお店へ向かう日が来てほしい、そう願いながら私は原宿駅へと歩いていきました。
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