所沢市民文化センター・ミューズというホールにて2020年12月19日に開催されたNBAバレエ団の『白鳥の湖』。
このバレエ団の『白鳥の湖』は独自の解釈によるもので、そもそも「なぜ王子ジークフリードは白と黒の区別ができないのか?」「初めて出会った白鳥から人間に姿を変える女性に永遠の愛を誓ったのか?」という素朴な疑問が出発点だそうです。
これは開演に先立ってNBAバレエ団芸術監督・久保綋一さんが自ら説明されていました。
とまあ難しいお話はさておき、『白鳥の湖』は世界一有名なバレエといっても過言ではないでしょう。
音楽はオーケストラによる生演奏ではなかったのが心残りではありましたが、鍛えられた肉体が躍動する美しさを十分堪能することができました。
もっと経験を積んでまた『白鳥の湖』に戻ってきたい
私は普段ヴァイオリンを弾いている関係上、バッハやベートーヴェン、モーツァルトやブラームスといったいわゆる普通のクラシック音楽はやたらと聴いています。
N響や日本フィルといった在京オーケストラの公演、またヴァイオリニストのリサイタルにもよく通います・・・、がバレエとなるとからきし専門外というのか、以前『くるみ割り人形』とプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』を観たことがあるという程度。
知識がある人なら「ここのグラン・パ・ド・ドゥで・・・」「コール・ド・バレエの統一感が・・・」とかもっと詳しく語れるはずなのですが、私は残念ながらそこまで知識も経験も乏しく・・・。
一応むかしこういう入門書を読んだことがあるのですが・・・、「読んだことがある」というのと「身についている」のは雲泥の差がありますね・・・。
ともあれ私のようなバレエ素人でも鍛えられたダンサーたちが整然かつ優美に踊る様子がただそれだけで美しいということははっきりと分かりました。
ただ舞台に立っているそれだけなのに足元から背筋、そして頭までが流れるような線となって、なおかつそれがオデットやジークフリードの心理をも表現しているわけですから、脱帽のほかありません。
私も一応週3~4回の頻度でジョギングをしていますから体を鍛えること、また鍛えた体をキープすることの難しさくらいは分かります。
バレエの難しさとは、私のようにただ走って体を鍛えれば良いというものではなく、物語のドラマ性を様々な約束ごとに則って一挙手一投足で表現しなければならないということ、これがスポーツと芸術の違いと言えるでしょう。
その点で本日のNBAバレエ団の『白鳥の湖』は、一糸乱れぬ踊りのなかに白鳥の悲嘆や憧れを・・・、ジークフリードの足取りや腕の動きのなかに迷いや決断を・・・、様々な感情を肉体の躍動のなかに盛り込んでいることが伝わってきました。
ああ、なんで自分はもっと早くバレエに興味を持たなかったのだろう・・・。なんで誰も教えてくれなかったのか・・・。ナンテコッタイ/(^o^)\
『コッペリア』『海賊』『ジゼル』など有名どころはもちろん、『マ・メール・ロワ』や『ダフニスとクロエ』など様々な作品を押さえてから、もう一度『白鳥の湖』をじっくりと見直したいと思いました。
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