一人ぼっちの人が読むべき本というのは、いくつかあります。

こちらもその一つ。


電気通信大学元教授・中島義道さんの本です。
日本社会でよく語られがちな「人はひとりでは生きていけない」。

したがって表向き他人との関係をスムーズにするのが大人の証とされ、それができない人は社会不適合者と烙印を押されることが多いのが日本。

行きたくもない結婚式に参列し、行きたくもない忘年会にも出席し、嘘やおもねりが「マナー」「思いやり」の名の下に正当化されてしまうのが日本。
その思いやりが社会を回していくための善意だと信じて疑わない、疑ったことが一度もない鈍感さ。
私のような「人間嫌い」はそこにものすごい嫌悪感を感じてしまいます。

中島義道さんの『「人間嫌い」のルール』はなるべく見え透いた共感ゲームから退場し、ひとりでできる仕事を見つけ、他人に何も期待せず、家族をも遠ざけるということが提案されています。

注目すべきが、「人間嫌いの共同体」という章で紹介されている人間嫌いのルールです。

1.なるべくひとりでいる訓練をする

2.したくないことはなるべくしない

3.したいことは徹底的にする

4.自分の信念にどこまでも忠実に生きる

5.自分の感受性を大切にする

6.心にもないことは語らない

7.いかに人が困窮していても(頼まれなければ)何もしない

8.非人間嫌い(一般人)との「接触事故」を起こさない

9.自分を「正しい」と思ってはならない

10.いつでも死ぬ準備をしている

私は、ヴァイオリンの練習とジョギングに取り組んでいるので、その時間を確保するために休日に人と会うことをやめました。

すると自分の時間が増えて、幸福度が増したのを実感しています。

その経験から言って、
2.したくないことはなるべくしない
3.したいことは徹底的にする
は真理を突いていると思います。

中島義道さんはルールその1の部分でこう述べます。
人生には二通りある。自分がしたいことを見出した者の人生とそれを見出さなかった者の人生である。人間嫌いを徹底させるには、もちろん前者でなければならない。そして、残酷な言い方をするが、――もしあなたがはっきりそれを見出しているのなら、それを見出していない者と交わるのは、とくに時間があまり残されていない老後においては苦しいはずである。
インフルエンサー、はあちゅうさんも
やりたいことがある人にとって、時間は何より貴重だけど、やりたいことがない人にとって、時間は埋めるものか潰すもの。「時間についての意識」が真逆の人と一緒にいるとイライラするので、同じ意識の人とつるむの大事。
と語っているのと通じるものがあると思いますが、やりたいことがある人にとって、孤独の時間というのは計り知れないほど価値があるのです。

やりたいことがある人は必然的に孤独を求めるようになり、第三者的には人間嫌いになってしまうのでしょうか?

いずれにせよ、人間嫌いを自称する人にはぜひ読んでいただきたいのがこの『「人間嫌い」のルール』です。