ヴァイオリン練習は音階練習が命です。

すべての曲はスケールつまり音階でできていると言っても過言ではありません。

NHK交響楽団のコンサートマスター、篠崎史紀さんは「音階練習以上に、基礎練習に適した方法はありません」とおっしゃっています。(『絶対! うまくなる バイオリン100のコツ』より)

それで小野アンナだったり、セブシックOp.8だったり、カール・フレッシュだったりといろいろな音階練習のためのテキストに取り組むことになります。

・・・で、大人にせよ子供にせよ膨大な手間がかかることに気づいて大半の初心者は脱落していくのがヴァイオリンの偽らざる姿ではないでしょうか。

子供なら上達が早いに違いないと思われがちですが、実際には幼少時からヴァイオリンを始めてもたいていは何かをきっかけにドロップアウトしていきます。子供の頃に楽器を初めて、大人になっても続けている(生き残っている)人がうまいのはまあ当然ですよね。

さてスケール練習もそうですが、ヴァイオリンの独学がきついのは「自分のやっていることが正しいのか間違っているのか、誰も指摘してくれない」こと、これに尽きます。

音階練習に取り組んでも、じつは間違った音程で続けていました! というのはもう開いた口が塞がらないほどの無駄な努力・・・。

「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」。これはダルビッシュ選手の言葉ですが、自分は本当に正しい軌道に乗っているのかどうかを確認しないでただ練習だけしていると何も生み出されないのはヴァイオリンも同じです。

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髙木凛々子さんがカール・フレッシュの音階練習動画を公開

ヴァイオリニストの髙木凛々子さんがカール・フレッシュの音階練習動画を公開しています。



こういう動画があるのはとてもありがたいことです。
ひと昔前までは、プロヴァイオリニストが練習の様子を公開するということは想像できませんでした。
ところが今ではYouTubeのおかげでいろいろなことが「ネタ」となり、「実際はどうやっているのか」という「かゆいところに手が届く」ような情報公開がものすごいスピードで進んでいます。

その他、人によっては曲を練習する風景をアップしていることもあり、ただ漫然と繰り返すのではなく、具体的に何が難所で、そこをクリアするために何をすればいいのかまで見ているだけで理解できてしまうことになります。

指使いとか、弓をどう持てば良いのかなんて本で説明されてもさあっぱり頭に入ってきませんが、動画なら誰が見ても理解できるので本当に助かります。

要するにYouTubeのおかげでヴァイオリンに限らず「成功への高速道路」が着々と整備されているわけです。
独学だろうが、先生について習っていようが、こういう動画を活用しない手はないですね。