たしかジャーナリストのノーマン・レブレヒトという人の本にこう書いてあったかと思います。
「クラシックCD店の客は男だらけだ」。
実際にHMVなりタワーレコードに足を運んでみると、40代~70代の男性だらけなのです。
ディスクユニオンのような中古CD店だと本当に男性だらけで、女性の姿を見かけることはほとんどありません。
サントリーホールや紀尾井ホールに行くと、男女比は半々(とはいえ中年以上に偏る)なので、その比率がCD店にもそのままスライドできるかと思えばそうではありませんでした。
なぜ男性ばかりなのか・・・?
クラシックCD店の客層は、なぜ男性ばかりなのか?
ピアノなりヴァイオリンなり、子供のころに楽器を習っている人というのは女性のほうが多いはず。
子供のころからチャイコフスキーなりメンデルスゾーンなりに親しんでいれば、大人になってから演奏会に行ってみよう、と思う人は女性のほうが多いと考えるのが自然だと思います。
でも実際にはせいぜい半々。劇団四季や宝塚は女性のほうが圧倒的に多いのですが、不思議です。
ある日、ミュージカル『エリザベート』を帝劇で見た日など、男は自分を含めて数えるほどしかいませんでした。
「世の中っていろんなところで分断されてるんだ」。勝手にそういう感想を持ってしまいました。
もし子供のころに楽器を習っていて、でも大人になってから演奏会に行かないとしたら、その人は本当は音楽が好きだったわけではなくて、親に言われて「ああそうかな」と思いながら続けていただけなのでしょうね。で、受験などをきっかけにプツリと途絶えるパターン・・・。一体なんのための練習だったのか・・・。
やはり収集癖が影響している?
話を戻します。
なぜクラシックCD店の客層は男性ばかりなのでしょうか?男性にありがちなのが、収集癖。
プラモデルを集めたり、フィギュアを集めたり。
その勢いで、同じ『運命』でもフルトヴェングラーとトスカニーニとカラヤンとバーンスタインとクライバーとブリュッヘンとショルティとラトルと小澤とチェリビダッケとクーベリックとミュンシュとベームとジュリーニと・・・、というふうに何枚もCDを買うなんていう謎のこだわりを見せてしまうのではなかろうかと思います。
ミュンシュがボストン交響楽団を指揮した1954年録音の『幻想交響曲』と1962年にもう一度ボストン交響楽団と一緒に録音した『幻想交響曲』と1967年パリ管弦楽団を指揮したときの『幻想交響曲』と同じ年のパリ管弦楽団発足記念演奏会の『幻想交響曲』は違うんだ!! と力説しても99%の人は冷ややかな目線しか送らないでしょう。
このように指揮者を変えて一つの曲で何枚もCDを集めるのは男性固有の癖としか言いようがありません。こういう話をする女性はまずいませんし、そもそもCDを集めたがる女性自体珍しく、男性と女性でお金のつかいみちって違いますからね・・・。
もちろん指揮者に限らず、ピアニストでもヴァイオリニストでも同じです。
同じショパンの「バラード」でもポリーニとアシュケナージとアルゲリッチとルービンシュタインのように何枚も同じ曲でピアニストをとっかえひっかえCDを買ってきてしまい・・・。
で、交響曲第何番の至高の名盤はどれだ、ピアノ・ソナタ第何番で一番凄絶な演奏はなんだ、とか勝手に一人でのめり込むわけです。
きっと家族は呆れていることでしょう・・・。
追記:ミュンシュがパリ管弦楽団と録音した『幻想交響曲』で有名なのはEMIから発売されているCDですが、アンドレ・マルロー文化相も臨席して行われた演奏会を収めたCDもライブゆえの白熱の名演です。・・・って自分も集めまくってるやんけ!

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