2021年度の大学入試は、オンライン面接が一気に増えることが見込まれます。

文部科学省は「令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」という文書を2020年6月19日に公表しています。

これによると
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に留意しつつ,例えば,ICTを活用したオンラインによる個別面接やプレゼンテーション,大学の授業へのオンライン参加とレポートの作成,実技動画の提出,小論文等や入学後の学修計画書,大学入学希望理由書等の提出などを取り入れた選抜を行う。なお,ICTの活用に当たっては,入学志願者による利用環境の差異や技術的な不具合の発生等によって,特定の入学志願者が不利益を被ることのないよう,代替措置などの配慮を行うこととする。
とあります。

ICTを活用したオンラインによる個別面接というのは、要するにスカイプとかZoomを使って自宅などから面接をやりましょうと言いたいようですね。
私は普段大学入試の仕事をしていますが、例年にない色んなことをやらなくてはならないらしく、随分大変になるなという印象を受けました。

秋田県の国際教養大学は2020年9月入学の試験であるAO・IB・高校留学生入試Ⅱ(9月入学)の実施方法を次のように発表しています。

英語小論文、面接を本学キャンパス内での実施を見送り、オンラインで実施します。

(中略)

必要な設備・機材について

英語小論文試験中、面接中および前後の時間帯でZOOMによるビデオ通話を常時ONとしていただく予定のため、下記のようなインターネット通信環境およびPC等を各自でご用意ください。

□インターネット通信環境

十分な通信速度を確保するため、 光ファイバー回線などの高速な、かつ有線のインターネット環境をお使いください。諸事情によりモバイル回線(携帯電話会社提供の回線)を使わざるを得ない場合は、下記のサイトで、通信速度を確認してみてください。 20Mbps以上あれば理想的ですが、最低でも8Mbpsは必要です。

http://speed.googlefiber.net/

※ZOOMでは 60分あたり200~300MBの通信量が必要とされています。モバイル通信をご利用になる方は通信量制限によってビデオ通話が途切れることが無いよう、自身の契約プラン・利用状況を事前にご確認ください。

□パソコン(PC)                 
・デスクトップまたはノートパソコンの使用を推奨します。Windows、Macどちらでも構いません。PCを用意できない場合はタブレットやスマートフォンなどでも受験可能ですが、より大きい画面の端末をお使いになり、面接へ臨まれることを推奨します。

ZOOMのインストール
事前に「Zoom」アプリのインストールが必要です。こちら からダウンロードし、予めインストールしておいてください。

カメラ
ZOOMで利用できる、PC内蔵カメラまたはウェブカメラが必要です。

ヘッドセット(マイク)
周囲からの雑音を極力避けるため、ヘッドセットもしくはイヤホンをお使いください。
オンライン会議用のスピーカマイクがあれば利用しても構いません。

□PCメールアカウント

・オンラインでの試験実施に伴い、専用URLをEメールにて送付します。 
※携帯電話メールアドレスでは本学からのメールが届かない可能性があるため、PCメールアドレスのご用意を推奨します。メール受信設定でドメイン指定を行っている場合は、メールが届かないことがあるため、@aiu.ac.jp, @gl.aiu.ac.jpを受信可能なドメインとして設定してください。
 

受験に際しての注意事項
試験中は、受験者のみで他の誰も入ってこない部屋で行うこと。

(https://web.aiu.ac.jp/adm_news/47223/より)
オンライン筆記試験、面接なんて想像の斜め上ですが、わざわざ秋田県まで出かけていかなくてもいいわけですから、遠方の人にとってはむしろ助かったかもしれません・・・。

zoom

Zoom面接で注意したいこと

おそらくこれから多くの大学が国際教養大学と同じようなやり方を採用するはずです。
となると対面の面接ではなくZoomの面接になるということ。

ざっと注意点を書き出すと次のようになるでしょう。

1)通信が途切れないようにすること
Wi-Fiではなく有線LANを使ってインターネットにつながることを推奨しているようですね。
たしかにWi-Fiでは電子レンジとか、アパートやマンションなら隣の部屋の電波と干渉したりとかで、わりと簡単かつ突然に通信が途切れることがあります。

2)通信制限
2019年夏のソフトバンクのCMでもありました。
動画を見ていたらいいところで通信制限が始まってガクッとなるパターン。

ドラマならまだしも、総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜ならふつう第一志望であることを前提にしていますから、そこで面接の途中で通信制限が始まったら・・・。


なんだ、ただの悪夢か。

3)親フラ、兄フラ
ニコ生とかYouTubeのライブ配信で親とか兄弟が突然部屋に入ってきたり・・・。
面接の途中で裸の兄がガチャってドアを開けたら、どうしますか?

4)そもそも技術的ハードルがある場合など
金銭的、ITリテラシー的にオンライン(Zoom)面接ができないという人もいるでしょう。
あるいは、身体障害などを理由にオンラインが適さない場合もあるでしょう。

もう一度文科省の「令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」を見返してみると、
なお,ICTの活用に当たっては,入学志願者による利用環境の差異や技術的な不具合の発生等によって,特定の入学志願者が不利益を被ることのないよう,代替措置などの配慮を行うこととする。
とあります。

つまりあなたが4)に該当する場合は、「かくかくしかじかの理由で、おたくの大学が言っている試験のやり方では、私は対応できません」と申し出れば、何かしらの配慮をしてくれる可能性があるということです(あくまでも可能性です。大学も全ての要望に対応できるわけではありません)。

おわりに

もう一つ大事なのが、Zoomというのは基本的に無料で使えるということです。
謎に視線が泳いでいたり、声がキョドキョドしているとマイナスイメージですが、そういうのは練習することで慣れることができます。友人なり先生なりに、Zoomを使ってあらかじめ使い方に慣れたり、マイクとスピーカーを通しても伝わりやすい喋り方を練習しておくのもいいでしょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。