私がいたく応援している(していたというべき?)女優・渡辺麻友さんの突然の引退に私は深いショックを受けました。

もう彼女が引退を発表して2週間が経過しようとしています。

取り残されてしまったような私もなんとか気持ちを落ち着かせ、自分なりに彼女が残してくれたコンテンツを改めて見返してみたり・・・。

そんな中、プリキュアシリーズ第13作目となる『魔法つかいプリキュア!』の第38話には渡辺麻友さんが本人役として出演しています。

これは1エピソードだけだったのでさすがに今まで見ていませんでしたが、今となっては喉から手が出るほどありがたいもの。

そこで昭和生まれの男である私が予備知識ゼロの状態で『魔法つかいプリキュア!』を見てみたのですが・・・。

渡辺麻友さんも子供の頃よく見ていたというこのシリーズ、たしかに女の子の憧れ要素がぎっしり詰まっているようで、男の私にも女性は何に憧れるのか、何を良しとするのかなんとなく分かった気がしました。

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(画像:楽天TVよりキャプチャ)

『魔法つかいプリキュア!』は何がいいのか

『魔法つかいプリキュア!』第38話のあらすじは次の通り。
魔法商店街のお祭りで、お菓子が食べられると聞いて大喜びするみらいたち。でも、お祭りは一年に一度だけ現れるカボチャドリを誰が捕まえるのかを競うというもの。カボチャドリが持つという金の卵に、何が入っているか想像してみんなはワクワクしますが…。
このあとカボチャドリを捕まえようとみらいたちは協力しながら魔法を駆使し、あと少しというところでドンヨクバールが出現するものの、みらいたちがプリキュアに変身しなんとか撃退。
カボチャドリが逃げた理由も判明し、モフルンが金の卵をもらったところでおしまい。

このお話の中には、女の子が変身したり、協力しあって(優勝とか勝利とかを競い合うのではなく)目標を達成しようとしたり、最後にみんなが幸せになるという、女の子が喜ぶであろう要素が含まれています。
暴力的なシーンはほぼ姿を見せず、協調のうちにめでたい大団円へ進んでゆく物語の運びは、闘争的な場面の多い少年向けアニメとよい対照をなすといえるでしょう。

見方を変えると、「女の子」はこういう「形」を刷り込まれて「女の子」として成長してゆくと言ってもよいかもしれません。

「変身」といえば、女性は成人式だったり結婚式だったりと様々な機会でドレスアップする時があります。
「女の子が変身するシーン」を子供の頃に繰り返し見るというのはその原型というか、刷り込みに近いものではないかとも思えてしまいます。

私は普段大学入試関連の仕事をしていますが、女子高生の進路相談を受けるとなぜか「将来CAになりたいが、何学科に進学したらよいか」のような質問が決まって寄せられます。

おそらくCAの制服姿や颯爽とした立ち居振る舞いにあこがれてのことだと思うのですが、その心理の片隅に、子供の頃に見たプリキュアなりセーラームーンなりがないとは言えないでしょう。

(なぜCAなのだろう。地上職員やバスガイドじゃだめなんだろうか?)と思いつつも一応進路相談に答える私ですが、大学生になって現実を見たのか、「やはり公務員が」と後になって手堅い路線に舵を切ることが多いのもまた事実です・・・。

渡辺麻友さんの起用は的を射ている

渡辺麻友さんのファンである以上、私はやはり書かずにはいられません。
この『魔法つかいプリキュア!』に渡辺麻友さんを起用するのはほんとうに的を射ています!

・アイドルのキラキラ感は、「魔法つかい」が登場するファンタジックな世界観ともマッチする

・アイドルという存在自体、そもそもプリキュアのメインターゲットである小中学生の女の子にとって魔法つかいと同様に非日常感あるもの

・だから「本当は魔法つかいだが、アイドルとしてナシマホウ界でも活躍している」という設定は説得力がある

・ただし知名度があるアイドルを起用しないと、「誰?」と思われてしまう

・したがって渡辺麻友さん以外の選択肢は事実上存在しない

箇条書きにするとたったこれだけですが、平成後期にあって、渡辺麻友さん以外にこういう条件を満たすアイドルはいませんでした。同じAKBグループには前田敦子さん、大島優子さん、指原莉乃さんが在籍していたものの、「魔法つかい」かというと、ちょっと違和感があります。

それだけに渡辺麻友さんの突然の引退宣言は、ナシマホウ界から魔法界へ戻ってしまったかのようでもあります。(そういえば昔の魔女アニメは、「正体を知られたら、人間界を離れなければならない」のような掟がありましたね・・・。)

渡辺麻友さんは2019年にはNHKの朝ドラ『なつぞら』でアニメーター役(三村茜)として登場し、作中では高度成長期の日本を舞台に『魔法使いサリー』のようなアニメ制作に携わります。

『魔法使いサリー』などのアニメ制作の積み重ねの先に『おジャ魔女どれみ』や渡辺麻友さんが大好きなプリキュアシリーズがあり、その中の登場人物に自身が抜擢され、その後で日本のアニメ史を織り込んだドラマに出演し・・・。現実ともフィクションともつかない不思議な縁と言わざるを得ません。

おわりに

女性ってこういうのが好きなのかなという感触が何となく分かったのは、何年か前にチャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』を見た時以来でした。
(クリスマスシーズン定番のバレエであるこの作品、劇場には家族連れかカップルだらけでしたが、私はいつものようにぼっち観賞でした。)

ちなみにですが、私はこのエピソードを楽天TVで視聴しました。1話110円でこれだけ好きな時にオンデマンドで見られますから、とても便利なもの。ソフトのインストールも不要で、クレジットカードで決済が終わればすぐにストリーミング再生できました。