インフルエンサー。
乃木坂46のシングル曲です。
この曲の歌詞にあるように「存在するだけで影響与えてる」「君が何を考えてるか知りたくてしょうがない」のがインフルエンサー。
つまり有名人であり、一挙手一投足に注目が集まる人。
なおかつその言動で流行り廃りにも影響力を及ぼしうる人。
こういうのをインフルエンサーと言うようです。
最近ではインフルエンサーがYouTubeに続々と参入しています。
理由は簡単で「儲かるから」です。
1)過去12ヶ月間総視聴時間が4,000時間以上
2)チャンネル登録者数が1,000人以上
2)チャンネル登録者数が1,000人以上
この2つの条件をクリアすると広告収益を得られるようになります。
実際に広告収益を得ているのは、YouTuberのおよそ上位15%なので決して低いハードルではありませんが、芸能人やインフルエンサーならこの条件をクリアするのは難しいことではないでしょう。
というわけで元スポーツ選手やジャニーズまで、どんどんYouTubeの世界が充実してきています。
しかし参入者が増えれば増えるほど、問題も・・・。
インフルエンサーの問題。インフルエンサー≠その道の達人ではない
Yahoo!ニュース@YahooNewsTopics【中田敦彦氏の動画 識者が警鐘】
2020/01/15 18:25:16
https://t.co/SYAiTJqNzQ
オリエンタルラジオの中田敦彦氏が運営する「中田敦彦のYouTube大学」の動画解説に、間違いが多すぎることが話題に。識者は「多くの誤りの他に単純な誤りで済まない問題がある内容に驚いた」という。
このヤフーニュースの記事では
中田氏の解説によれば、イギリス攻撃に誘ったロシア(ソ連)が怪しい動きをしたので、ドイツがロシアを攻めた。これが独ソ戦の開戦経緯と説明しています。ソ連が怪しい動きをしたのでドイツが攻めたと解釈できる言説は、大変に問題があるものです。なぜかと言えば、これは古典的なフェイクだからです。
とされています。
私自身歴史学とくに第二次世界大戦戦史の専門家ではありませんが、この記事の執筆者である石動竜仁さんも指摘するように、ドイツが「ソ連とともに」英国攻略を企てたという話も、ソ連の挙動が不審だったためにドイツが独ソ戦に踏み切ったというのも聞いたことがありません。
はたしてこの歴史観というか、観点を紹介するにあたり、どれほど事前に吟味したのでしょうか?
第二次世界大戦の個々の戦闘に参加し、今なお存命の方もいらっしゃるわけですから、室町時代とか江戸時代とかいった遠い昔のことではありません。第二次世界大戦は20世紀の大失敗ですから、情報発信は慎重を期すべきですが・・・。
インフルエンサーによる解説動画のメリット、デメリット
メリット
有名人が解説してくれるわけですから、そりゃ面白くて当然です。
これまで知らなかった事柄について楽しく学べて、しかもYouTubeだから0円で通勤時間や洗い物をしている時など、隙間時間であっても視聴できます。
デメリット
中田敦彦さんの動画に限った話ではないのですが、有名人だからといって残念ながらその分野の専門家というわけではありません。
だからなのか、例えば時事問題について意見を発表(動画であれ、文章であれ)しているインフルエンサーがいますが、例えば過労死のことについて触れていたとして、どうしても有識者や実務経験の長い人の意見と比べるとどうしても言葉の浅さが目立ち、「床屋の政談」の感があります。
専門家も誤りを犯しえますが、例えば専門書を出版する時点の校正で気づくなどさすがに初歩的な誤りにはまず陥りえないでしょう。
たしかに何かを学ぶきっかけになればそれはそれでいいことなのですが、大半の人が「今日はいい話を聞いた」で終わり。これが実情ではないでしょうか。
「興味を持った」の次に、「身銭を切って”複数の”書籍を購入し、一定の期間にわたって自律的に学び続けよう」というレベルにまで到達する人はどれくらいいるのでしょうか。おそらくごく一部でしょう。
そして大半の人は(もしかすると誤りが含まれているかもしれない)手軽にまとめた情報や、拡散目的でわざと辛口に仕立てた情報発信を事実上鵜呑みにしてしまう・・・。これが私が危惧しているところです。
おわりに
自分なりにインフルエンサーという立場の人の発言のもつメリット、デメリットについて考えてみました。
あくまでも有名人であって有識者ではありませんから、「その人が好き」というのと、「その人の発言が的を射ている・正確である」というのは分けて考えてみるのがよいようです。
追記:このブログにも事実誤認などがあるかもしれません・・・。「こいつはこういう意見なのか」程度にご理解ください。
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