このブログは「友だちいない研究所」といいます。
普段友だちがいない私が、ぼっち(一人ぼっち)な生活を書き綴ることが目的でスタートしました。

早いもので、もうすぐ始まってから2年が経過します。

最初は1行書くだけで10分くらいかかり、公開ボタンを押すだけで無駄に手が震えていました。

しかし毎日記事を書き続けているとそれなりに自分の文章スタイルも確立されてきます。
そのうえ、記事作成のスピードも上がってきます。

そうは言っても、1記事書くのにある意味「一生かかってんじゃないか」と思うときもあります。

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ブログ記事を書くのに一生かかる?

実際のところ1つのブログ記事を作成するのにかかるのは30分から1時間程度です。
だから理論上、5時間あれば5~10記事書けるはず・・・。

違うのです。

その記事がある商品のレビュー記事だった場合は、その商品を実際に自分で購入し、使ってみるというライフスタイルが背景にあります。

アーティストのライブの感想だった場合は、そのアーティストが好きになり、CDも買うようになり、ついにはライブに足を運ぶようになるというかなり長い年月にわたる積み重ねがあるはずです。

つまり人生のどこかのタイミングで「記事のネタに出くわす」というきっかけが必要だったわけです。
さらにそのきっかけが種となり、そこから発芽して記事という花になり・・・、というプロセスが必要になります。

その意味で、つい最近の記事であってもその記事を書くのにそれまでの一生が背景にあるわけで、単に記事作成にかかった時間がすべてというわけではないのです。

様々なアーティストも「作品制作に一生かかった」ということを言っている

名作RPGドラゴンクエストの作曲を手掛けているすぎやまこういちさん。
「ドラゴンクエストのテーマは5分ほどで完成した。だけどそのテーマを生み出すまでに50年の人生が必要だった。だから、ドラゴンクエストのテーマは、5分+50年なんです」
このようなことをあるインタビューでおっしゃっていました。

ピカソも似たようなことを言っています。

ある日、ピカソのそばにファンと称する女性が話しかけてきました。
「ピカソさん、私はあなたのことが好きです。どうかこの紙に一つ絵を描いてくれませんか?」
ピカソはスラスラっと、たった30秒ほどで綺麗な絵を手渡します。
「これは100万ドルです」

「ピカソさん、この絵を描くのに30秒しかかけてませんよ!」

 しかしピカソは笑います。

「30年と30秒ですよ」

私は最近日本画家の千住博さんの『芸術とは何か』という本を読みましたが、やはり同じことが書かれていました。(千住博さんの作品は、例えば羽田空港でご覧いただけます。)

たとえば青い背景に、牡蠣の貝殻を砕いた粉を用いて、和紙の上に滝を描くことは、画面に向かってから「さあ、今日は滝というものを和紙に描いてみようか」となるのではなく、技法や材料、モチーフに出合い、そこに至る長い人生や出合ったいきさつがあってのことです。

どこかのタイミングで、ハワイ島のレインボーフォールズやアルゼンチンとブラジルにまたがるイグアスの滝に行っていなくてはなりませんでしたし、年月をかけて、日本画の技法を取得しなくてはなりませんでした。

つまり、私は今56歳ですが、最近描き終わった、新しい青地の滝の作品を描くのに56年かかった、ということが正しい言い方でしょう。
ブログ記事も同じです。
自分の考えたことを文章として構成することのなかには、手順の決まりきった工場の作業とは明らかに異なる創作性があります。だから上に挙げた表現に携わる人たちと同じように、ブログ記事作成の裏にはその人の人生があると言えるでしょう。

ブログ記事作成のコツとは

記事ネタというのはある日突然降って湧いてくるものではありません。
常に考え続けて、「あ、これは使えるかもしれない」というひらめきがたまに出てくるかこないか、といった程度です。
使えないアイデア、まあまあのアイデアなど要するに雑兵ばかりでなんとか戦っていくしかないのが実情だと思います。

秋元康さんがスタッフに「24時間AKBのことを考えろ」というのはそういう文脈上で理解されるべきものなのでしょう。
上に挙げた千住博さんも「モチーフとの出合いは、基本的にいつやって来るかわからないもので、いつでも準備していることが大切です」と述べています。

ブログを続けて行こうとするなら、やはり常に「ネタがないかな」と身構えておくのが必須条件と言えるのだと思います。

<参考図書>