大学入試で、AO入試、推薦入試、その他にも社会人入試、編入試験、帰国生入試など「面接」が課される試験があります。
そのとき、たまに尋ねられる質問があります。
「本学の建学の精神についてどう思いますか?」
そんなの知るか!
ぜったいそう答えたくなりますよね。
こっちは落ちるか受かるか、ぎりぎりの瀬戸際で面接を受けてるんだよ!
お前の大学の創設者のことなんか知るかよ!! せいぜい福沢諭吉とか大隈重信とか、名前しか知らねーよ!!
そう言いたい気持ちをぐっと我慢して、答えなくてはなりません。
いったいどう答えたらいいのでしょうか?
私自身は大学入試の仕事に関わっていて、このブログでも入試関連のことを記事にすることがあります。
一応、「こう答えると好印象だよ」という情報を記事化しておきたいと思います。
「本学の建学の精神をどう思いますか?」 答え方は?
そもそも論として、建学の精神はふつうHPに記載されていますから面接の前に絶対に読んでおきましょう。
知らないと何も答えられません。とりあえず答えたつもりでも視線が泳いだり、言葉が弱々しくなったりして「読んでないな」とすぐにバレます。
とりあえず一つの例として、東京都にある名門私立大学、立教大学の建学の精神を見てみましょう。
立教大学の建学の精神、それは「キリスト教に基づく教育」です。
1874(明治7)年、米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教によって設立された「立教学校」。東京・築地に聖書と英学を教える、わずか数人の生徒で始まったこの小さな学校が立教大学の前身です。
ウィリアムズ主教は、当時の“実利主義”や知識、技術を物質的な繁栄と立身出世の道具とする日本の風潮をよそに、ここを「キリスト教に基づく真の人間教育を行う場」と位置づけました。
現象にとらわれず、常にその本質に迫ろうとする自由の精神、そして、個性を重視した人間教育。これこそが立教のキリスト教に基づく精神といえます。
これは、正課教育(授業)に限らず、礼拝、キャンプ、講演会、セミナーなど全ての立教生に対して提供されるさまざまなプログラムを通して実践されています。
(https://www.rikkyo.ac.jp/about/introduction/spirit/より)
自分ならここに目をつけて答えるだろうと思ったところは赤字にしておきました。
たぶんこの記事をお読みのあなたは、クリスチャンではないでしょう。私も普通の日本人です。クリスチャンではありません。
では、なぜ立教大学を志願したのか。この「なぜ」から答えを考えてみたいと思います。
・私はクリスチャンではないものの、御校の建学の精神に共感している・そもそも大学は4年間、きっちりと〇〇の分野で学びを深めたいと思っている。単にすぐに就職に役立つ知識や技能が欲しいわけではなく、人生100年時代と言われている昨今、いつの時代にも通用する普遍的な学問を修めたい。・そう考えた時に、物事の本質に迫ろうとする自由の精神を重んじているという点が、私の学ぶ意欲に答えてくれるだろうと思っている。
ざっくりと、こんなところでしょうか。
あなたが学びたいのが国際関係論なのか文学なのか政治学なのか工学なのかはわかりませんが、自分の学びたい分野や、それに対してこの大学は答えてくれるのか、またそれはなぜか(オープンキャンパスで模擬授業を受けた、先輩の話を聞いた、兄が通っている、この大学の教授の著作を何冊も読んで素晴らしいと思った、など自分の経験に基づいているとなおOK)を建学の精神で使われているフレーズを交えつつ説明できるとよいでしょう。
じつは結構大事な「建学の精神」
「建学の精神」と書くとたった5文字ですが、じつはけっこう大事です。
この建学の精神というのが大学が掲げるアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成方針)、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)という3つのポリシーの根幹を成しているからです。
アドミッション・ポリシーについて面接で聞かれたらどう答えるかは
という記事にノウハウを書いています。
結局のところ、なぜ面接を行うかというと、「あなたと大学の相性の良し悪し」を見極めるためです。
一般入試では単なるペーパーテストでボーダーラインを1点でも上回れば合格。
ということはあなたと大学の相性は見ていないことになります(厳密に言うと、入試の作問も名門校であればあるほど出題傾向に個性があり、相性の良し悪しがありますが・・・)。
AO入試や推薦入試では、面接を行って教員があなたの人物像をしっかりと見極め、ゆくゆくは建学の精神を受け継いでくれる人材になってくれるのかどうかを判断します。
というわけで上記のように、「建学の精神」はちゃんと目を通しつつ、さらにどういう人物像を具体的に求めているかを把握するためにアドミッション・ポリシーも読みつつ、こうした人物像に私はマッチしてるんですよ、ということを自分の学びたい事柄や自分なりの経験を交えつつ話すしかありません。
面接でトークが上手ければ合格するというものでもない
実際の入試、たとえばAO入試では面接以外にも事前に提出する志望理由書や英語の能力を証明する書類、試験当日に出題されることのある小論文などを踏まえ、総合的に合否を判定するのが普通です。
したがって、面接でトークが上手ければ即合格というわけでもないのでご注意ください。
最近では英語4技能がどれだけできるかを判断基準に加えている大学もちらほらあります。
例えばTEAPやGTEC CBTで何点以上が出願の最低基準である、など・・・。
大体英検で言うなら2級が一つの目安ですが、これは正直やるしかないです。
入試までの日にちというのは誰にとっても有限なので、なるべく効率よく英語力をアップさせていきたいですよね。
私が受験生のころにはこういうものは一切ありませんでしたが、最近ではスタディサプリのような便利なツールもリリースされており、羨ましい限りです。
うーん、うちの高校のどの先生よりも講義がうまい・・・。
一応スタディサプリのリンクもご紹介しますので、気になる方は以下をご覧ください。
受験生の皆さん、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
(もしどうしても分からないことがある、という場合は私はツイッターをしていますので@3_bocchiに話しかけるか、コメント欄に質問を書き込んでくださっても構いません。私なりに分かる範囲でお答えします。)
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