録音というのは便利なもので、ミスを修正したり、修正したことをそもそも気づかれなかいようにきれいに誤魔化したりすることができます。たとえば「ライブ録音」と銘打って発売されているCDであってもも、実態としては「本番の演奏を主に、ミスがあった箇所はリハーサルのと ...
2023年11月
国歌独唱から考えるヴァイオリニスト固有のトーンとは
人にはそれぞれ固有の声というものがあります。Aさんの声はAさんのもの。Bさんの声はBさんのもの。聞けばわかります。これに人それぞれ喋り方が異なっていますから、Aさんの声をBさんだと間違える人はいません。さらに声を使った音楽=歌となれば、持って生まれた声帯によっ ...
仕事を進めるうえで、マイペースは悪である
世の中の様々な仕事には「納期」「締切」というものがあります。これを守らないと、入金が遅れたり支払いができなかったり資金がショートしたり信用を失ったりとろくなことがありません。漫画家の秋本治先生は万が一を想定して常に15ページ程度ストックを作っていると聞いた ...
CDを水道水で洗ったら再生できるようになったとかいう不思議
CDの寿命は半永久的だろうと思っていたものの、ある時再生しているとプレーヤーから砂嵐のようなザザッという音が聞こえてきて、「こりゃまずいな」と思った時がありました。CDを止めて取り出してよくみたところ、さほど汚れが付いているようには見えません。でもどうして綺 ...
耳に届く声、届かない声。ヴァイオリンの音色もそうかもしれない
ヴァイオリンを弾く人にとって音階練習は必須科目。避けては通れない道です。これを避けてしまうとどんな曲を演奏しても毎度のごとく音程が外れるので弾けば弾くほどジャイアンソングに近づいていってしまう運命が待ち構えています。別の言い方をすると、ヴァイオリンを習っ ...
地味に難しい重音奏法。3度、6度、オクターブ
ヴァイオリンを練習していると、ある時どこかで必ず先生から「重音奏法を練習しなさい」という宿題が出されます。ヴァイオリンは基本的にメロディを奏でる楽器ではあるものの、2つの弦を同時に弓で押さえることで音を重ねることが可能です。だから重音奏法と呼ばれています。 ...
名指揮者になるためには生まれた時代も大事かもしれない
身も蓋もない話ながら、世の中には「運」というものがあります。就職活動で落ちた。意気消沈していたが運良く別の会社に内定をもらえた。第一志望だった会社はその後不祥事で見る影もなくなってしまった。JR中央線が遅れたせいで、乗るはずだった飛行機に乗れなかった。が、 ...
もし、ハイフェッツがコレルリの時代にタイムスリップしたらどうなるのか?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では主人公マーティが1955年にタイムスリップし、パーティ会場で「ジョニー・B・グッド」を演奏するシーンがあります。1955年時点ではロックンロールというものはなく、ビートルズ以前であり、もちろんレッド・ツェッペリンなんて影も形も ...
ヴァイオリニストは時短アイテムを使いこなすべきである
ヴァイオリンを弾く社会人というのは大抵時間がないことで苦しみます。睡眠、仕事、通勤、その他風呂とかトイレとか食事とか、色々なことで時間が無くなっていきます。運が悪いとレッスンに向かう道のりで渋滞にはまって時間をロスしたり、帰り道もまた渋滞にはまってもう一 ...
ローマ帝国の感染症と、マルクス・アウレリウスと死について
マルクス・アウレリウスといえば哲人皇帝として知られており、異民族とのローマ帝国辺境での紛争や自然災害、感染症の流行といった様々な出来事への対応に追われる傍ら、戦場の陣中などで自らを奮い立たせる言葉の数々を書き留めた手記は数百年の時を経て『自省録』という題 ...