2019年8月24日(土)、東京・上野にある東京文化会館にて第17回東京音楽コンクール(ピアノ部門)本選が実施されました。
結果は以下のとおり。
第17回東京音楽コンクール
ピアノ部門 本選結果
第1位
秋山 紗穂 AKIYAMA Saho
第2位
北村 明日人 KITAMURA Asuto
第3位
伊舟城 歩生 IBARAKI Ayumu
入選
大崎 由貴 OSAKI Yuki
聴衆賞
秋山 紗穂 AKIYAMA Saho
(https://www.t-bunka.jp/tmc/info/3663/より)
第1位に輝いたのは、秋山紗穂さん。聴衆賞も受賞しています! 素晴らしいですね!!これからしばらくは様々な演奏会に出演されることと思います。
時折私もコンクールを聴きに行くことがありますが、最近の学生の演奏水準は本当に高くなっています。(技術的な面では昔のプロより上でしょうね。)
秋山さんの今後の活躍をお祈りいたします!
ご本人はツイッターを利用されていらっしゃるようで、それによると「音小,音中→芸高60期→芸大4年pf」とのこと。pfとはピアノの略称です。
音楽関係の小学校、中学校を経て、東京藝術大学附属高等学校、のち東京藝術大学へ進学しピアノを専攻しているようですね。
言うまでもなく、東京藝術大学は日本で最高峰の音楽大学(もちろん美術などの専攻もあります)。プロの音楽家になりたい若者たちが全国から集います。
また、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会=PTNA(ピティナ)の「ピティナ・ピアノコンペティション」のHPにはより詳しい履歴が公開されていました。それによると、
師事歴
伊藤恵、小倉貴久子(fp)、青柳晋・菊地知也(室内楽)
(https://compe.piano.or.jp/event/final/prf/akiyamasaho.htmlより)
とあります。伊藤恵(いとうけい)さんといえば日本を代表するピアニスト。
オーケストラの定期公演などでピアノ協奏曲が選曲されているときもソリストとして頻繁に招かれています。
とくに有名なのが、ジャン・フルネというフランス人指揮者の2005年12月のラストコンサート。
引退を決意した彼が最後の舞台に選んだのはフランスではなく、なんと東京でした。
彼と共演したのは東京都交響楽団。曲目はブラームスの交響曲第2番をメインに、プログラム前半にはモーツァルトの「ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491」が選ばれました。
このときのピアニストとして抜擢されたのが伊藤恵さんでした。
当日の演奏会はまさに伝説の一夜ともいえるべきもので、後日CD化もされました。
このような素晴らしいコンサート歴をもつピアニストを師としているわけですから、秋山紗穂さんが東京音楽コンクールで1位という立派な成績を残したのも当然といえるのかもしれません。
(この実績はもちろんご本人の日々の努力の積み重ねがあってこそのものであることを追記いたします。)
(この実績はもちろんご本人の日々の努力の積み重ねがあってこそのものであることを追記いたします。)
また、PTNAの上記HPでは「4歳よりピアノ、7歳より歌と作曲を学ぶ」とあります。
才媛という言葉は現代では死語になってしまったかと思っていましたが、そうではなかったようですね・・・。
秋山紗穂さんの演奏について
YouTubeにはPTNAピアノコンペティションの動画がいくつか公開されています。
このショパンでは自然な抑揚の付け方といい、盛り上げ方といい、ショパンらしい「ため」の作り方といい、実にショパンらしい仕上がりになっています。
さて東京音楽コンクールで秋山さんが演奏したのはプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.16」。
秋山さんの演奏で動画も公開されています。
こちらはコンクールの一コマなのでオーケストラの代わりにピアノが代用されています。
ショパンとは雰囲気を変え、精巧なタッチが光ります。
ちなみにオーケストラと共演しているバージョン(つまり本当の姿)はこういう響きがしています。
さて、今回の東京音楽コンクールで最高位に入賞するとコンサートに出場できることになっています。
(https://www.t-bunka.jp/stage/1836/より)第17回東京音楽コンクール 優勝者&最高位入賞者コンサート
2020年1月13日(月・祝)15:00開演(14:20開場)
指揮:三ツ橋敬子 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 司会:朝岡聡
料金(税込)
9月30日まで購入(消費税8%)指定2,160円
10月1日以降購入(消費税10%)指定2,200円
※2019年10月1日に予定されている消費税率の改正が実施された場合の金額。
(各種割引あり) [8月16日(金)発売]
秋山さんの演奏を聴いてみたい! という方は消費税率引き上げ前にチケットを買ったほうがよいでしょう!
もちろんこれ以外でも数々の演奏会に出演するはずです。
日本には伊藤恵さんの他にも横山幸雄さん、上原彩子さん、田部京子さんなど、素晴らしいピアニストがいます。秋山さんがこうしたピアニストにつらなり、多くのお客さんの思い出に残る響きを紡ぎ出せるよう、ますますのご活躍をお祈りしたいと思います。
コメント
コメント一覧 (4)
伊藤恵先生に師事しているから賞を取るのは当然と言えるかもしれません というニュアンスのコメントは如何なものかと思いました。
この度はコメントありがとうございます。
「今回の1位獲得は、秋山さんのたゆまぬ努力の結果です」とのご意見、私としても同じ意見です。表現に言葉足らずな点がありまことに恐縮です。
今後は文章の表現に一層の注意を払いたいと思います。
表現面で誤解を招きかねない点にご指摘くださいましたこと重ねてお礼申し上げます。
丁寧な説明と動画がとても参考になりました
また偶然にも話題の映画がはじまるので、秋山さんの弾かれたこの曲ももっと沢山の方々に聞いてほしいです‼️
ご丁寧にコメント頂き誠にありがとうございます。
当日の演奏をお聴きになったとのこと、素晴らしいひとときを過ごされましたね。
若い才能がピアノの世界に新しい風を吹き込むのは素晴らしいことです。
秋山さんのますますの活躍を一リスナーとして陰ながら応援したいと思います。