2019年7月時点では香港では連日のように「逃亡犯条例」を巡るデモが続いています。

そんななか、香港の駅を白いTシャツ姿の覆面集団が襲撃し、通勤客や民主化デモの参加者が怪我を負うという事件が発生しました。

大規模な反政府デモが7週連続で行われた香港で21日夜、白い服を着た覆面集団が民主派のデモ参加者らをバットや棒で襲撃し、45人が負傷、うち5人が重傷、1人が重体となっている。襲ってきたのは「三合会(Triad)」と呼ばれる香港の犯罪組織のメンバーとみられており、卑劣な襲撃と警察の対応に怒りが広がっている。
(https://www.afpbb.com/articles/-/3236243より)

このニュースを見ていると、なんだかどこかのSF小説で見た光景を思い出してしまうのでした・・・。

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香港に「憂国騎士団」?

田中芳樹先生の名作小説『銀河英雄伝説』。
この作品は、専制君主制を採用している銀河帝国と、そこから分裂した民主政の自由惑星同盟が慢性的に戦争を続けているという物語。

自由惑星同盟の首都ハイネセンでは憂国騎士団を名乗る団体が、自分たちが気に食わない言論活動(反戦的なものや、反政府的なもの)を行う人物を覆面で襲撃するという事件が起こっていました。

フィアンセを戦争で失った反戦活動家ジェシカ・エドワーズや、その親友ヤン・ウェンリー提督は彼らの実力行使の被害にあい、危ない目に遭っています。

ヤン提督は「正しいことをしているつもりなら、どうして顔を隠すのだ!」と彼らに向けて鋭く指摘。

実はこの憂国騎士団は裏で政府とつながっており、政府にとって都合の悪い人物や団体を攻撃しても警察はだんまりを決め込むのでした・・・。

上記ニュースはさらにこのようにも書いています。
一夜明けた22日、卑劣な襲撃と警察の対応に批判の声が上がっている。襲撃された人々は必死に助けを求めて通報を繰り返したが、現場に警察が到着するまで1時間以上かかり、しかも未明まで周辺の路上にいた覆面集団を逮捕しなかったという。
歴史は繰り返すというのか(『銀河英雄伝説』は現在から何世紀もあとの話ですが)、香港のこのニュースといい、憂国騎士団の話といい、ずいぶん重なるものがありますね・・・。

ちなみにですが、憂国騎士団は物語の後半で銀河帝国の憲兵隊に弾圧にあい、崩壊してしまいます。
香港のTシャツの男たちももしかしたらいつか・・・?