今日本にあるブログはどれくらいなのでしょう。

公表されている調査のうち、最も新しいものでも2008年の総務省のもの。
それによると1690万あり、アクティブなものは308万だとか。

だれでも知っているブロガーとなるとせいぜい数名程度ですから、ブロガーとして有名であり、なおかつそれで生活できている人はほんの一握り・・・。

アクティブなブログのなかで、かつ上位1%に限っても3万人程度。
でも実際にブログで生活できているという人はもっと少ないわけですから、トップ0.いくつ%といった抜きん出た存在=プロブロガーだということになりますね。

平凡なブログでも共感してもらえるためには?

言い換えると、ほとんどのブログは「平凡」という烙印を押されてしまいがちです。
私のブログもそうですが・・・。

私はヴァイオリンを弾いており、一応はモーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲第3番』というオーケストラと共演する体裁で書かれた曲を弾くことができます。
ところが実際には世の中の99%のヴァイオリン弾きはオーケストラと共演する機会は一生ありません。

そしてブログでは目立たない平凡な記事を量産し・・・。
あれ、なんだか悲しくなってきた・・・。

その平凡なブログでも共感してもらえることがあるとしたら、その要因は何でしょうか?

ginkgo-3762798__340


宇多田ヒカルのAutomatic、ある意味平凡の塊だった



七回目のベルで受話器を取った君
名前を言わなくても声ですぐ分かってくれる

唇から自然とこぼれ落ちるメロディー
でも言葉を失った瞬間が一番幸せ

嫌なことがあった日も
君に会うと全部フッ飛んじゃうよ
君に会えない my rainy days
声を聴けば自動的に sun will shine
500万枚を超えるヒット曲「Automatic」。
ここに盛り込まれた感情は、典型的な恋ごころを歌ったもの。
だれもが一度は経験する感情が書かれています。

言い換えると、こうしたみんなに共感してもらえること=平凡なことを歌ったからこそ大ヒットを記録したのだとも言えるでしょう。

ではこの歌詞はどうでしょう。
ぶったりしてごめんね
愛しくて仕方なかった
ねぇ 泣き真似してごめんね
困った顔が見たくて

そして あなたの背中が遠ざかり
最後に気付く 儚き愚か者
こちらはaikoの名曲「えりあし」。女の子の気持ちを代弁していることで知られるaikoの作品ですが、どの曲も女の子に共感してもらえる歌詞が書かれています。
やはりポピュラー音楽だからこそ、みんなに共感してもらえる=平凡でよくある気持ちに向き合っていることが最大の武器だったと言えるでしょう。



平凡さのなかで個性を出すには

宇多田ヒカルは「Automatic」でこう歌います。
アクセスしてみると 映るcomputer screenの中
チカチカしてる文字 手をあててみると
I feel so warm
これは電話のディスプレイのことを言っているのだと思いますが、相手のぬくもりを感じたい時にスクリーンに手をあててみるそうです。

他の人なら違うことをしていてもおかしくありませんが、自分ならではのこだわりを少しだけ忍び込ませている・・・。ここに宇多田ヒカルのオリジナリティが表現されているようです。

aikoも「えりあし」をこう結びます。
5年後あなたを見つけたら
背筋を伸ばして 声を掛けるね
一度たりとも忘れた事はない
少しのびた襟足を
あなたのヘタな笑顔を
たとえ別々の道を歩くことになったとしても、再び会うことになったら、「背筋を伸ばして声を掛ける」。

他の人がどうするかはともかくとして、「えりあし」の中に登場する「あたし」は「背筋を伸ばす」のだそうです。これがaikoのオリジナリティです。

おわりに

このように、ヒット曲は平凡な気持ちが題材になっていることがほとんど。
平凡だからこそポピュラリティを獲得できるわけです。

しかもそのうえで、自分ならではの個性を少しだけ隠し味のように忍ばせています。

こうした観点はブログの記事を書くうえで参考になるのではないでしょうか。


余談ですが、aikoのライブは歌だけじゃなくてMCもめちゃくちゃ楽しいです。
さすが大阪の人!!