毎年夏になるとどの大学もこぞってオープンキャンパスを開催します。

「模擬授業」「先輩との懇談」「入試制度説明」「キャンパスツアー」など、イベントが盛りだくさん。
1人で来る高校生、友人同士で来る高校生、(高校の宿題で仕方なく)来る高校生、親と来る高校生。
色々な人がいます。

大学入試関連の仕事をしている私は、家族で来ている親・高校生と話すことがよくあります。

でも大学は高校生が卒業後に進学するものであって、親が通うものではありません。
ではオープンキャンパスでの親の役割とは何でしょうか。

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オープンキャンパスであのことを調べるのは親の役目です

大学は、そこが伝統校であればあるほどその学校の個性というものが色濃く出ているもの。
その大学との相性は高校生自身にしか分かりません。

自分がやりたいことが学べるだろうか、入試問題の出題傾向は自分と相性が合うだろうか。
これは進学する本人が調べるべきことです。

しかし高校生の観点から見ていると、見落としがちなことが結構あるもの。
ここを親の目線からカバーしてあげるのが良いでしょう。

入学金、学費はいくらかかるのか

私立大学の場合なら、入学金は20万円、学費は前期・後期でそれぞれ50万円程度といったところが相場でしょう。
しかしそれ以外でも指定のパソコンが必携で入学時に18万円程度かかったり、コースによっては留学やフィールドワークなどが必須となっていて、行先によって10万~数十万程度の費用がかかることがあります。

ところが。
高校生自身は「まず自分はこの大学に合格できそうか」といった観点から大学を見がちなもの。
入ってから必ず直面するお金の問題はあまり気付きません。働いたことがないから、まあ当然ですよね。

留学するといくらかかるのか

しかも高校生は案外簡単に「留学に興味があって」と言いがち。
(反面、どの国のどの大学で、どんなことを学びたいのか。それは留学しなくては習得できない内容なのか、と訊いてみると答えられない高校生がほとんどです。)
実際問題留学するとなると半年~1年外国で過ごすことになり、米国なら数百万単位の出費がかかる場合があります(公立か私立か、協定内容はどうなっているかにより費用は異なります)。さらに、場合によっては日本の大学は留学中は休学しているはずなのになぜか学費が発生したり、減免されたりと条件はまちまちです。

このそろばん勘定は、オープンキャンパスで留学について相談するのであればきちんと入学前に確かめておいたほうが良いでしょう。

AO入試や公募制推薦入試に必要な出願書類について

秋に実施されるAO入試や公募制推薦入試。この手の入試では「英語の能力を証明する書類」として、TOEFL、TOEIC、IELTS、TEAP、GTEC、英検など様々な英語のテストの成績証明書の提出が求められています。

ところがこれが曲者で、大学や入試の種類によって「〇〇テストはCBTでも構わない。〇〇テストは、CSEスコアが表示されたものであること。〇〇テストは、何年何月何日以降に受験した成績証明書に限る。〇〇テストは、公式テストの成績証明書原本に限り、IPテスト、ITPテストのスコアの提出は認めない」など細かく指定されていることがあります。

この指定が守られないと、不備書類として取り扱われてしまい、出願に必要な書類を提出できなかった=審査の対象外となることもあります。

入試要項に必要なことは書かれていますが、この成績証明書の提出にあたってこの部分を読まないために毎年不備とみなされる書類が後を絶ちません。ぜひ親は提出書類に誤りがないか確かめてあげてください。

おわりに

このように、お金のこと、出願にあたっての細かいルールなどは高校生の視点ですと案外見落としがちな落とし穴になっています。
人生経験豊富な大人がオープンキャンパスでもこの辺りを注意深く確かめてあげれば、より深く必要な情報を入手できるのではないでしょうか。