最近何かと見かけるJ.Score。これは自分のプロフィールを入力すると、AIが判断してどれくらいのお金を借りられるか診断できるサービスです。
公式サイトにはこうあります。
入力はわずか数分。
ビッグデータと先進的なAI技術で
あなたの可能性をスコア化
簡単な質問に答えていただくだけで、
あなたの可能性を総合的に分析します。
様々なデータと先進的なAI技術を活用することで、
明快なスコアとして算出します。
(https://www.jscore.co.jp/より)
J.Scoreとは、みずほ銀行とソフトバンクが設立したフィンテック企業。
これまで融資の審査は人間が行っていました。でも人間が審査するとどうしても主観が入ってしまったり事務ミスがあったり・・・。その点AIならそんなことはないので公正な審査が期待できます。
アメリカでも20年以上前からクレジットスコアというものが存在していて、この得点がクレジットカードの発行から就職まで様々な場面で信用度を推し量る基準として使われています。その日本版のようなものでしょうか。
私もやってみた、J.Score
とはいえお金を借りる予定はまったくありません。つまり冷やかしです・・・。
スタート!
いくつかの質問に答えます。
学歴は何ですか?
年収はどれくらいですか?
勤務先の規模は?
まあこのくらいは順当な質問でしょう。
だんだんプライベートな質問になってきます。
結婚していますか? いいえ。
お子さまはいらっしゃいますか? いいえ。
友だちはいますか? いいえ。(そんな質問、ありません。)
というわけで質問に答えて、私の診断結果は・・・。
716点! 1000点が満点のようです。
ちなみに600点を下回るとお金を借りられず、逆にスコアが高いと特典が設けられており、最高ランクのダイヤモンド(AIスコア950~1,000)には芸能人を招いてのイベントなどへの参加権利が与えられるとか。
追加でいろんな質問(パソコンは持っていますか、タブレット端末は持っていますか、携帯のキャリアはどこですか、服やアクセサリーを選ぶときの基準は、など)に回答すると、どんどんスコアが高くなる仕組みです。
私もこのあといくつか追加質問に答えて2点アップしました。
人間がAIからの評価を気にする時代
J.Scoreは「ハビットチェンジ」という考え方を提唱しています。
ハビット=習慣。J.Scoreが高く評価する行動習慣を身につけると、スコアが高くなるということでしょう。
今日の行動の先に未来があります。
良い行動を習慣化し継続するとAIスコアに反映されます。
ハビットチェンジは行動の習慣化をサポートします。
ハビットチェンジはアプリでご利用いただける機能です。
要するに、ビッグデータから導き出された富裕層の行動パターンを身につけるとあなたもお金持ちになれますよということでしょう。
なんだか「ときめきメモリアル」でお目当ての女の子と仲良くなるために特定の行動をしまくったり、ドラクエで「はがねのつるぎ」を買うために敵を倒しまくってゴールドを貯めまくったり、あるいは受験生が「ドラゴン桜」の勉強法を真似して難関大を受験したりしているような・・・?
正直、数字とかビッグデータとかAIに自分の生活を指揮されているようであまり気分のいいものではありません・・・。
もしかして、質問もいかにも富裕層(「こち亀」の中川圭一とか「金田一少年の事件簿」の明智健悟とか「花より男子」の花沢類とか・・・)が答えそうなことを答えたらスコアが上がる仕組みなのでは・・・。実際問題、私が高卒で自営業ですと答えていたら確実にスコアは低かったはずです。
人間がAIからの評価を気にする時代、いったいどうなんでしょう。
これからは人間がスコアリングされる社会になるのか
J.Scoreはあくまでも貸付の審査に使われるものですが中国はもっとすごいようです。
人間の社会的評価を何でもかんでも数値化し、悪いことをするとスコアが下がり、いいことをするとスコアが上がる仕組みが全国的に導入されています。あまりにスコアが低いと交通機関の利用すら制限されてしまったり、合コンすら出られなくなったりするとか。
このことでレストランのドタキャンが激減したりなど、表面的ではあるにせよ中国人のマナーが急速に改善されつつあるようなのです。
(もちろん、中国政府が国民を監視することが本当の目的であるのは間違いないでしょう。)
今後日本でも行動の一つ一つが食べログのように評価される時代が来るのでしょうか。
そうなると、学生は偏差値を気にし、大人はAIのスコアリングを気にし・・・といったように生涯数値に振り回される人生になるのかもしれません。
その頃には、ビッグデータから「あなたはこういう性格でこういう学歴ですから、何パーセントの確率でこういう職業につき、こういう人生になるでしょう」と予め答えを告げられてしまう時代になっているのでしょうか・・・。
私の考え過ぎかもしれませんが、恐ろしや・・・。
*本記事作成にあたり、以下の記事を参考にしました。
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