魔夜峰央先生の未完の問題作『翔んで埼玉』。
ついに2019年2月に映画版が公開されました。

二階堂ふみさん扮する壇ノ浦百美(原作では白鵬堂百美)が生徒会長を務める白鵬堂学院。
ここにGACKTさんが演じている麻実麗が転校してきます。

さてこの場面で使われているハープの曲。

これはヘンデルの『ハープ協奏曲』です。

白鵬堂学院の場面の曲はヘンデル『ハープ協奏曲』です



お聴きのとおり、非常に典雅な曲となっています。
ヘンデル存命当時、作曲家は宮廷に召し抱えられて王侯貴族のために創作活動をすることが安定した生計を立てる唯一といってもよい手段となっていました。

その王侯貴族に気に入られる音楽といえばやはり優雅なもの。

というわけで『ハープ協奏曲』もご多分に漏れず貴族が喜びそうな雰囲気が溢れていますね。
都会指数が高い東京都民が集う白鵬堂学院Aクラスにふさわしい雰囲気の曲となっています。

この作品ではAクラスが港区などの都心、Bクラスが新宿・・・と都心から遠ざかるにつれてアルファベットが進み、Eクラスは田無や八王子の都民が所属することとなっています。

さらに! 埼玉に関係がある生徒が押し込められているZクラスというものもあり、体調不良時でさえ薬がもらえず、壇ノ浦百美に「そのへんの草でも食わせておけ!」と一喝されてしまう始末・・・。


もしハープが登場する曲で、似たような曲をお探しならモーツァルトの『フルートとハープのための協奏曲』がおすすめです。



これはモーツァルトがあるフランスの貴族から依頼を受けて書いた曲となっています。
とくに第2楽章はモーツァルトらしさが溢れかえっており、単独で演奏されることも多いようです。

なお、映画では白鵬堂学院の続きの場面で「ターター、タ、ター」というずいぶんと重苦しい曲が流れます。これはイベリア半島が発祥の舞曲「フォリア」。もともとは激しいダンスのための曲だったようですが、時代が下るにつれて次第に憂いを帯びた曲に変化していきました。

「フォリア」を用いた曲のなかで最も有名なのはコレルリの「ラ・フォリア」で、ヴァイオリンを練習する人がいつかは必ず学ばなくてはならない曲となっています。




以上、映画『翔んで埼玉』で使われている曲についてご案内させていただきました。